北海道電力はさまざまな水力発電所を順次新設している。2013年7月からは帯広の北西、道央の新得町に新岩松発電所の建設を開始する。従来の岩松発電所を取り壊し、一部の設備を再利用する形だ。
北海道電力が水力発電所の増強を進めている。現在公表されているのは、揚水発電にのみ使う京極発電所(北海道京極町、60万kW)の他、小水力発電所のユコマンベツ発電所(北海道東川町、690kW)と調整池式・ダム水路式の新岩松発電所(北海道新得町、1万6000kW)の3カ所だ(図1)。京極発電所とユコマンベツ発電所は既に着工しており、2014年から順次運転を開始する。
新岩松発電所は2013年7月に着工を予定する。総工事費60億円を投じて、既存の岩松発電所を置き換える形だ(図2)。岩松発電所は1942年に運転を開始した70年前の設備。「経年劣化が著しく、改修するよりも、ほぼ同じ位置に新設する方がよい。発電量も増える」(北海道電力)。岩松発電所の出力は1万2600kWであり、これが新岩松発電所では1万6000kWに増える。
新岩松発電所は北海道で2番目に流域面積の広い十勝川の水を利用し、上流に置いた岩松ダムの水を使う。最大使用水量は45.00m3/秒である。
新岩松発電所は2016年1月に運転開始を予定しており、岩松発電所は2015年4月に運転を終える(除却)。なぜ、新発電所の完成を待たずして岩松発電所が運転を終えるのだろうか。それは、岩松発電所の設備の一部を新岩松発電所が使うからだ(図3)。岩松ダムから導水路を経て流れてきた水が、容量の小さな調圧水槽を経て、水圧管路に流れ込み、発電所に至る。このうち、導水路と調圧水槽を再利用する。
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