ラジオの送信には土地が必要、ならばメガソーラーと共用できないか自然エネルギー

中部日本放送は、三重県桑名市に置く長島ラジオ送信所に出力1.6MWのメガソーラーを設置した。地下にあるラジオ用のアース線と地上のメガソーラーで土地を有効利用した形だ。

» 2013年09月03日 13時40分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 太陽光発電には面積が必要だ。なるべくなら太陽電池のために土地を空けるのではなく、他の用途で使っている土地を再利用したい。住宅の屋根への設置が好ましいというのはこのような理由がある。

 ではメガソーラーではどうだろうか。メガソーラーと共存できる土地の使い方とは。中部日本放送の出した解は、AMラジオの送信所の土地を使うというものだ。「AMラジオを送信するためには、アンテナの周囲の地下に『ラジアルアース』と呼ばれるアース線を敷く必要がある。このため、これまでは地表面を使うことができなかった。調査の結果、太陽光発電設備を地上に設置しても、放送に影響がないことが確認できた」(中部日本放送)。

 完成したメガソーラーはラジアルアース線を地下に埋めたまま、アース線に直接被さらないように設置している。「このような配置をとってもそれほど設置できる太陽電池の数には影響がなかった」(同社)。

図1 三重県桑名市とメガソーラーの位置

 同社が運転を開始したのは「長島太陽光発電所」(三重県桑名市長島)。木曽川、長良川、揖斐川(木曽三川、図1)の河口部に立地する。面積2万5000m2の長島ラジオ送信所の敷地に出力1.645MW(年間予想発電量1684MWh)の発電所を作った。

 総投資額は6億2000万円。系列会社に建設を依頼して、2013年3月に着工し、2013年8月末に完成した。固定価格買取制度(FIT)を利用し、42円/kWhで全量を中部電力に売電する。

【修正履歴】本文中「…それほどメガソーラーの配置面積は増えなかった」という部分を、「…それほど設置できる太陽電池の数には影響がなかった」へ変更しました(2013年9月4日)。

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