原油を輸入するなら中東以外にどこから?ウイークエンドQuiz(2/2 ページ)

» 2013年09月06日 22時30分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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正解:

 d.ロシア

ミニ解説

 日本の原油輸入先(2011年度)を図1に示した。図1を見ると、上位5位カ国は全て中東諸国であり、これだけで8割弱を占める。中東以外の国を赤枠で示した。ロシアが最大の4.1%を占め、次いで、インドネシア、ベトナム、ガボン、オーストラリア(豪州)、マレーシアの順だ。

図1 日本の原油輸入先。出典:エネルギー白書 2013(赤枠は編集部追加)

 原油は日本のエネルギーの生命線だ。発電ではLNG(液化天然ガス)や石炭に次ぐ3位のエネルギー源であり、比率も2割切っている。しかし、輸送用のエネルギーなどを含めた一次エネルギーでは43%を原油に頼っている。もちろん最大のエネルギー源だ。これほどの規模になると、再生可能エネルギーの普及を待つことも難しい。

 中東に強く依存した構造はリスク要因だ。政府の認識も同じであり、1967年に依存度が9割を超えたのち、1987年には7割以下にまで引き下げることに成功した。しかし、2011年度には再び85.1%まで上昇している(図2)。アジア最大の原油産出国の中国、2番目のインドネシアからの輸入量がそれぞれ減ったことが効いている。どちらの国も経済成長の結果、現在は原油の純輸入国だ。両国に変わる輸入先が必要だ。

図2 原油輸入量と中東依存度。出典:エネルギー白書 2013

 ロシアは原油の産出量ではサウジアラビアとほぼ同じであり、輸出量でもサウジアラビアの8割程度を維持している。交渉の余地がある。もう少し長い目で見るなら、原油の埋蔵量が多い国が有望だ。英国の国際石油資本であるBPが公開した「BP統計2012年版」によれば、世界の原油埋蔵量2343億トンのうち、最も多いのはベネズエラ(19.8%)。2位がサウジアラビア(15.6%)、3位がカナダ(12.0%)だ。ベネズエラの原油産出量は世界第6位、カナダは第8位だ。いずれも図1には登場していない。

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