地熱資源の開発が加速、新たに6件が国の補助対象に補助金

2013年度に75億円の予算を投入して実施する地熱資源開発の補助対象に、新たに6件のプロジェクトが決まった。北海道と大分県で各2件、岩手県と富山県で1件ずつが選ばれた。2012年度から継続中の10件とともに、地熱発電に向けた地表調査や掘削調査を2013年度内に実施する。

» 2013年09月10日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 地熱資源は洋上風力とともに、将来の再生可能エネルギーとして導入量の拡大が期待されている。ただし課題は開発期間が長期に及び、事業者の初期投資が膨大になることである。政府は2012年度から地熱資源の開発を対象に大型の補助金を開始して、2013年度と2014年度にも継続する方針だ。

 2013年度に総額75億円の予算で実施する補助事業の対象プロジェクトとして、このほど第1弾の16件を決定した(図1)。10件は2012年度からの継続案件で、6件が2013年度からの新規案件である。

図1 地熱資源開発調査の対象事業(画像をクリックすると拡大)。出典:経済産業省

 新たに選ばれた6件は、北海道の「上川地域」と「洞爺湖温泉地域」、岩手県の「網張地域」、富山県の「立山山麓地域」、大分県の「野矢地域」と「平治岳北部地域」のプロジェクトである。このうちの4件は地熱発電の規制が緩和された国立公園の中で調査を実施する。

 最も実用化が早いとみられるのは「洞爺湖温泉地域」のプロジェクトで、低温の地熱でも発電が可能なバイナリー発電の掘削調査を実施する予定だ。ほかの5つのプロジェクトは対象地域の地下構造を把握するための地表調査と温泉モニタリング調査が中心になる。

 国の補助金は地表調査にかかる費用の4分の3まで、それに続く掘削調査の費用の2分の1までを支給する。現時点で2013年度の予算には余裕があり、さらに11月29日まで公募を継続する。経済産業省は2014年度についても同額の75億円を概算要求で提示しており、地熱資源の開発を継続的に促進していく考えだ。

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