風車の直径103メートルでも台風と落雷に強い、日本仕様の風力発電機蓄電・発電機器

世界最大の風力発電機メーカーでもある米国GE(ゼネラルエレクトリック)が日本仕様の大型製品を発表した。2.5MW(メガワット)の標準品を改良して、風車の直径も103メートルに延ばし、発電能力を2.85MWに高めた。日本向けに台風と落雷の対策も施した。

» 2014年03月03日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 日本国内では2013年の1年間だけで、風力発電所の破損・落下事故が少なくとも4件発生している。その原因になったのは、台風に伴う強風や、天候の急変で発生する落雷だった。今後の市場拡大が期待できる日本向けに、GE(ゼネラルエレクトリック)は台風と落雷対策を施した大型の風力発電機を投入する。製品名は「2.85-103 for Japan」である(図1)。

図1 日本仕様の「2.85-103 for Japan」。出典:日本GE

 現在の風力発電で主流になっている2MW(メガワット)級の中では出力が大きい2.85MWの性能を発揮する。日本の陸上では1基あたり年間に500万kWh程度の電力を供給する能力があり(発電効率20%と想定)、一般家庭の1400世帯分に相当する。

 風車の羽根(ローター)の直径は103メートルで、2MW級では標準的な大きさだ。風車を支えるタワーは85メートルの高さになり、日本特有の地震と強風に耐えられるように建築基準法に準拠した。落雷対策では経済産業省が推奨する国際規格の「IEC62305-1保護レベルI」に相当する保護機能を備えている。

 日本の再生可能エネルギーは現在のところ太陽光発電を中心に急速に拡大しているが、今後の導入可能量が最も大きいのは陸上と洋上の両方に展開できる風力発電である。GEは世界の風力発電機の市場で約15%のシェアがあり、ほぼ同規模のデンマークのヴェスタス(Vestas Wind Systems)とトップの座を争っている。この2社に日本のメーカーを加えた競争が激しくなる。

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