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» 2014年03月19日 07時00分 公開

省エネ機器:外気が−25度でも大丈夫、水と空気で暖める (2/2)

[畑陽一郎,スマートジャパン]
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外気温に応じて組み合わせを変える

 GeoSIS HYBRIDは、地中熱と空気熱を組み合わせて欠点をなくしただけではない。2つの熱源を連動制御している。このような製品は家庭用として業界初だという。

 連動制御とは、外気温に応じて地中熱と空気熱の重み付けを変えることをいう。気温が2度以上の場合は、空気熱の方が地中熱よりも効率がよい(消費電力が少ない)。逆に、2度以下の場合は地中熱が有利だ。

 効率の他に、連動制御にはもう1つの利点がある。先ほど紹介した除霜運転だ。空気熱側が除霜運転に入ったときに地中熱の出力を高めることで、暖房感を損なわないという。「除霜運転時には熱が必要であり、熱配分を制御することで、除霜運転の時間も短くなる」(コロナ)。

 GeoSIS HYBRIDは外気温が−20度を下回るときは連続運転が必要だ。−25度まで利用可能である。「地中熱は北海道で効率が高いものの、新製品は九州南部を含む広い地域に向くと考える」(コロナ)。

地中熱で暖め、空気熱でさらに加熱

 GeoSIS HYBRIDの仕組みを図3に示す。左下は地中熱ヒートポンプの「室外機」とその内部動作の図解だ。まず地下との間で不凍液が循環する。不凍液の熱を熱交換器(水色の箱)を使って、冷えた冷媒(R410A)に与える。次に冷媒をコンプレッサで圧縮するとさらに温度が高まる。この熱を室内から戻ってきた冷たい不凍液に与える。温度が下がった冷媒は膨張弁を通過する際に気化して急速に温度が低下する。

 図3左上は空気熱を利用する仕組みだ。空気熱ヒートポンプ(室外機)の動作は通常の「エアコン」とよく似ており、内部を循環する冷えた冷媒(R410A)に外気をファンで当て、温度を上げる。その後、コンプレッサを通過し、さらに温度が上がる。この熱を、先ほど地中熱で暖めた不凍液に与える。熱を失った冷媒は膨張弁に向かう。

図3 GeoSIS HYBRIDが熱を生み出す仕組み(クリックで拡大) 出典:コロナ

 2種類の熱を受け取った不凍液は室内に入り、フロアパネルや温水ルームヒーターなどさまざまな暖房端末に熱を与える。室内に向かう温水の温度は20〜60度の範囲で設定可能だ。温水ルームヒーターには高温の水が向き、ロードヒーティングは低温の水を使うと効率がよくなるという。ロードヒーティングとは融雪や凍結防止のために、通路の表面温度を高める機能のこと。

 コロナはGeoSIS HYBRIDを2014年9月に発売する。2製品あり、どちらも価格は90万円(税別)を予定する。出力8kWの製品(HYS-AG08X)*1)と11kWの製品(HYS-AG11X)だ。11kWの製品は地中熱ヒートポンプだけが異なり、特に大きな家屋やロードヒーティング、ハウス栽培などに利用できるという。なお、11kWの製品は出力を高めるために、U字管の埋設深さを100mとしている。

*1) 外気温が乾球温度7度、湿球温度6度であり、室内への温水往き温度40度、暖房流量が毎分7Lのとき。

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