「おひさまエネルギーファンド」に行政処分が下る、再発防止策と業務改善計画を要求法制度・規制

5月16日に証券取引等監視委員会が勧告した「おひさまエネルギーファンド」の法令違反行為に対して、金融庁は5月23日に5項目の業務改善命令からなる行政処分を下した。同ファンドは1カ月以内に原因の究明と責任の所在を明らかにするとともに、再発防止策と業務改善計画を策定する。

» 2014年05月27日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

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 「おひさまエネルギーファンド」は長野県の飯田市を中心に、市民参加型の太陽光発電事業などを展開している。市民などから集めた出資金をもとにファンドを組成して、発電事業で得られた収益を出資者に配分する事業モデルである。このファンドの資金管理方法が不適切であるとして、5月16日に証券取引等監視委員会が監督官庁の金融庁に対して行政処分を勧告していた。

 金融庁は委員会の勧告内容を確認したうえで5月23日に、おひさまエネルギーファンドに業務改善命令を通達した。改善命令は以下の5項目から成る。

1.法令違反などの事実について原因を究明して責任の所在を明らかにする。

2.再発防止策と業務改善計画を策定して確実に実施する。

3.行政処分に至った経緯と事実関係を出資者に正確に説明して誠実に対応する。

4.金融商品の取引業務を適切に実行するための経営管理・業務運営・法令順守の態勢を整備する。

5.上記の4項目の対応・実施状況を1カ月以内に金融庁に報告する。

 今回の法令違反行為で特に問題になった点は、複数のファンドの資金口座を分別して管理していなかったことと、資金管理業務を代表取締役の原亮弘氏が1人で集中的に管理していたことである。改善命令の中でも4番目に挙げている態勢の整備を適切な形で実施する必要がある。

 おひさまエネルギーファンドは金融庁に提出する業務改善計画書を作成でき次第、同社のウェブサイトで計画書の内容を公表する予定だ。

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