13時〜17時の来店ポイント2倍に、スマホで外出を促すドコモと九州電力エネルギー管理

今夏の電力需給が全国で最も厳しい九州地域の節電対策として、九州電力がNTTドコモと共同でスマートフォンによる外出促進プログラムを開始した。ドコモが提供する「ショッぷらっと」の来店ポイントを8月31日まで2倍に増やして、午後の13時〜17時の電力需要を抑える狙いだ。

» 2014年07月29日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 NTTドコモの「ショッぷらっと」は、スマートフォンを持って対象の店舗に立ち寄る(チェックインする)だけでポイントがもらえるサービスである。専用のアプリを立ち上げておくと、自動的にポイントが加算される仕組みだ(図1)。ポイントのほかに割引クーポンを提供する店舗も多い。

図1 「ショッぷらっと」の画面の流れ。出典:NTTドコモ、九州電力

 7月25日から九州電力とNTTドコモが共同で開始した「ショッぷらっと de COOL SHARE キャンペーン」では、午後の13時〜17時に九州エリアの対象店舗に立ち寄った会員には通常の2倍のポイントを付与する。店舗数は57カ所で、大型店のパルコや博多大丸のほか、九州に9店舗を抱えるタワーレコードなどが含まれている(図2)。

図2 九州エリアで「ショッぷらっと」のサービスを提供する主な企業。出典:NTTドコモ、九州電力

 今夏の九州では8月に電力の需給状況が厳しくなる予想で、特に需要が増加する13時〜17時の使用量を抑制する必要がある。昼間に自宅にいる可能性がある主婦や学生を対象に、スマートフォンでお得な情報を提供して来店を促進する狙いだ。来店ポイントを2倍にするキャンペーンは8月31日まで実施する。ポイントは商品券や図書カードなどと交換することができる。

 このキャンペーンではアップルの位置情報サービス拡張技術である「iBeacon」を組み合わせた情報配信も実施する。iBeaconは無線通信で一般的に使われているBluetoothの低消費電力版「Bluetooth Low Energy」を利用した機能で、半径10メートル程度の距離に限定して無線で情報を送ることができる。

 ショッぷらっとの会員が対象店舗の近くを通ると、来店ポイントがもられることをスマートフォンにメッセージで通知する仕掛けになっている(図3)。ショッぷらっとのサービスはiPhone/iPadとAndroid端末の両方で利用できて、ドコモ以外のスマートフォンでも使うことは可能だ。ただしポイントの交換にはドコモのIDが必要になるため、ドコモの利用者に限定したサービスになる。

図3 対象店舗の近くにいる時に送られてくるメッセージ。出典:NTTドコモ

 スマートフォンを使って節電と消費を促進するキャンペーンは昨年から徐々に広がりを見せている。これまでも大手スーパーなどが実施する試みはあったが、電力会社と電話会社が共同で地域全体を対象に展開するのは初めてのケースになる。どのくらいの節電効果が得られるのかに注目したい。

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