農地を転用して2.6MWのメガソーラーを建設、福島県の森に復興整備計画で自然エネルギー

福島第一原子力発電所から10キロメートル圏内にある川内村で、農地を転用したメガソーラーの建設工事が始まった。村の復興整備計画に基づき、農地の転用許可に特例措置を適用した。森に囲まれた農地に2.6MWのメガソーラーを建設して、総世帯数の8割以上をカバーできる電力を供給する。

» 2014年10月10日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 メガソーラーを建設する場所は川内村の平伏森(へぶすもり)にある農地で、広さは2万8000平方メートルある(図1)。シャープと芙蓉総合リースが共同で出資する太陽光発電事業会社のクリスタル・クリア・ソーラーが9月から工事を開始している。川内村の復興整備計画に盛り込まれた事業の1つで、農地を発電設備の用地に転用するための特例措置を適用した。

図1 「川内平伏森太陽光発電所」の完成イメージ。出典:シャープ

 森に囲まれた変則的な形の用地に、発電能力が2.6MW(メガワット)のメガソーラーを建設する計画だ。年間の発電量は285万kWhを見込んでいて、一般家庭で790世帯分の電力使用量に相当する。川内村の総世帯数(約960世帯)の8割を超える規模になる。運転開始は2015年10月を予定している。

 川内村は福島第一原子力発電所から西へ10キロメートルほどの位置にあり、村全域を対象に復興整備計画を進めている。その一環で村内の2カ所の農地にメガソーラーを建設する事業を推進するため、平伏森の建設用地も特例措置で20年間にわたって発電事業に利用できるようにした。

 農地法では農地を農業以外の目的に転用することを厳しく制限していて、太陽光発電を実施する場合でも営農を継続することが原則になっている。

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