六ヶ所村に建設中の115MWメガソーラー、敷地の高低差で2種類の施工法蓄電・発電機器

現時点で建設中のメガソーラーでは日本最大の規模になる「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」の工事が中間点を過ぎて、設置済みの太陽光パネルは27万枚を超えた。2015年10月までに合計51万枚の設置を完了する予定だ。2カ所に分かれた建設用地では高低差を考慮して異なる施工法を採用した。

» 2014年10月22日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」の所在地。出典:ユーラスエナジーホールディングス

 青森県の下北半島の太平洋側にある六ヶ所村は、原子力発電用の燃料サイクル施設があることで知られるが、日本で最も多くの風力発電設備が集積する地域でもある。その六ヶ所村で太陽光発電でも国内最大規模のメガソーラーの建設が進んでいる。ユーラスエナジーホールディングスが2015年11月に運転開始を予定している「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」である(図1)。

 六ヶ所村の2つの地区に分かれた253万平方メートルの土地に、発電能力が115MW(メガワット)のメガソーラーを建設中だ(図2)。2013年8月に着工して、2015年10月までに合計51万枚にのぼる太陽光パネルを設置する計画である。このうちの半分強にあたる27万枚の太陽光パネルを2014年10月15日までに設置済みで、残りの24万枚を今後1年間で設置していく。

図2 建設中の状況。「千歳平北地区ソーラーパーク」(上)、「鷹架地区ソーラーパーク」(下)。出典:清水建設

 建設用地の2カ所の土地は特性が異なることから、施工法も変えた。1つ目の「千歳平(ちとせたい)北地区」は起伏に富んだ土地のため、長さが5〜6メートルあるH型鋼を地中に打設して、その上に太陽光パネルを設置する架台を取り付ける。1つの架台の大きさは3.0×12.5メートルで、24枚の太陽光パネルを搭載する。

 これに対して2つ目の「鷹架(たかほこ)地区」は、近隣の港の土木工事で採取した砂を使って埋め立てた平坦な土地である。このため一般的なコンクリート基礎の上に架台を設置する施工法を採用した。架台の大きさは3.0×23.3メートルにして、42枚の太陽光パネルを搭載できるようにした。

 ただし鷹架地区は埋立地であり、大地震が発生した場合には地盤が液状化して架台が沈下することも想定される。その対策として、基礎と架台のあいだに高さを調整できるスペーサーを挿入した。

 2カ所に設置する太陽光パネルは発電効率の高い単結晶シリコンタイプを2つのメーカーから調達する。合計51万枚の太陽光パネルによる年間の発電量は1億3000万kWhを超えて、一般家庭で約3万8000世帯分の電力使用量に匹敵する見込みだ。六ヶ所村の総世帯数(約4600世帯)の8倍に相当する。

 現在までに国内で運転を開始したメガソーラーでは、大分県にある「大分ソーラーパワー」が82MWで最大の規模を誇る。「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」が完成すると、日本で初めて100MWを超える規模のメガソーラーになる。さらに11月には岡山県で231MWのメガソーラーの建設も始まる。

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