パワコン要らず、太陽光で充電できる5.6kWhの家庭用蓄電池蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2015年02月16日 18時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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家庭の電力を柔軟にやりとり

 パワーステーションは3種類の電力変換機能を備える。太陽電池が作り出した電力や蓄電池からの電力を宅内に送るときや、太陽光発電の余剰電力を売電するときに使う「直流交流変換」。太陽電池が作り出した電力の電圧を変換して蓄電池に送る「直流直流変換」、系統の電力を蓄電池に充電する際に用いる「交流直流変換」である。蓄電池への入力は1.5kW、出力は通常時、停電時とも2.0kWだ*5)

 宅内の機器との接続は図2の通り。直流(空色の線)、交流(赤線)、制御(黒線)を色分けで示した。図中央左の「スマートコスモ」(関連記事)は無線通信機能を備えた同社の分電盤。特定小電力無線を用いて同社のHEMS「AiSEG」(関連記事)と接続できる。

*5) 11.2kWhのシステムではリチウムイオン蓄電池ユニットを2つ接続するため、入力3.0kW、出力4.0kWとなる。

図2 宅内の機器との接続方法(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 太陽光発電システムだけを導入している家庭では、スマートコスモなどの分電盤に全ての回路が接続されている。このような家庭に今回の創蓄連携システムを接続する場合は停電時に使わない一般の回路の他に、停電時にも使用したい機器を接続するバックアップ用住宅分電盤をまず設置する。その上で、電力切替ユニットを追加して、バックアップ用住宅分電盤、パワーステーション、スマートコスモと結線する。これで、蓄電池を停電時の電力源として利用できるようになる。

蓄電池の利用方法は3種類

 創蓄連携システムでは電力をどのように利用するのか、3種類のモードから選択できる。経済優先モードでは、夜間電力を利用して充電、日中は太陽光発電の出力で賄い、太陽光発電の余剰電力は売電する。夕方や夜間の電力消費は蓄電池で賄う(図3)。

 パナソニックの試算によれば、従来の電気料金が年間16万8000円だったオール電化住宅に今回のシステムを導入すると、9万円近い黒字になり、年間25万6000円の節約効果が期待できるという。

図3 経済優先モードの動作 出典:パナソニック

 環境優先モードでは日中、太陽光発電の出力で賄うところは経済優先モードと同じ。だが、余剰電力を売電するのではなく、充電に振り分けて買電量を減らす(図4)。夜間や日中の電力消費は蓄電池で賄う。夜間電力を含む電気料金や売電価格の状況によって、どちらのモードが有利になるのかは変化する。

図4 環境優先モードの動作 出典:パナソニック

 蓄電優先モードは停電対応を第一に考える動作モードだ。蓄電池の残量を常に最大にするように動作し、充電が完了したら待機するというもの。

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