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» 2015年03月20日 07時00分 公開

再生エネで作り「水素EMS」で管理、水素ディーゼル自動車も自然エネルギー(2/2 ページ)

[畑陽一郎,スマートジャパン]
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設備を大幅増強して水素EMSで管理

 実証試験の期間は2015年4月から2020年3月まで。まず2016年度内に新たな設備を導入。残る4年間で運用データを集める。導入する設備は出力200kWの太陽光発電システムと2種類の水電解装置(60kWと250kW)、水素貯蔵タンク、出力100〜150kWの燃料電池、25台の業務用ハイブリッド車である。

 風力発電と太陽光発電で電力を供給、水を分解して得た水素をタンクに蓄える。水素の使い道は2つ。1つは、水素燃料電池とディーゼルエンジンで動くハイブリッド車の燃料として供給することだ。もう1つは燃料電池に通じて電力を得、メチルのビジネスパーク(オフィス)に供給する。

 東芝の役割として決まっているのは「水素EMS(Energy Management System)」の提供とシステム全体の制御*2)。電力の需給予測に基づいて水素の製造、貯蔵、利用を最適制御する仕組みだ。「各装置にセンサーを配置し、情報を集めて水素の用途を決める。これによってシステム全体の制御が可能になる。例えば夜間の電力需要に応じて、ビジネスパークに水素由来の電力を供給する。他社の機器を含むシステム全体の運用データを取得し、今後の水素事業の展開に生かす」(東芝)。

 Bright Green Hydrogenが実証実験全体を統括、運営する。ファイフ州は水素利用を支援し、業務用ハイブリッド車両の一部を提供する。他の5つの団体は全て再生可能エネルギーに直接関係するとした。

*2) 新規に導入する水電解設備などは今後入札によってメーカーを選定する。

3カ所で水素EMSを動かす

 今回の実証試験は、スコットランド地方政府が2014年11月に公募した再生可能エネルギー活用を促進する「Local Energy Challenge Fund」による。同Fundには114の提案があり、そのうち17がフェーズ1に進んだ。東芝などの共同提案はさらにフェーズ2に進み、ゴーサインが出た形だ。

 実証試験の資金源は2つ。1つはLocal Energy Challenge Fundであり、英Fife Today紙の報道によれば、400万ポンドである。もう1つは民間の資金だ。

 東芝は水素EMSをメチル以外の複数の場所で運用し、複数のシステム構成から異なった運用データを得ようとしている。

 同社は川崎市と共同で2015年4月から2020年まで水素システムの実証実験に取り組む(関連記事)。「川崎市に置くシステムには小規模な水素EMSを組み込む予定だ。さらに当社の府中事業所(東京都府中市)には『水素実証棟』を計画しており、研究開発の他、ショールームとして用いる。ここにも水素EMSを組み込む。スコットランドの事例は水素EMSのスケールアップだ」(東芝)。

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