HEMSの利用を含めて省エネ行動を心掛けている人は、そうでない人に比べて「電力使用量が大幅に少ない」など省エネ意識が電力消費に大きく関係することが東京都市大学らのアンケート調査で分かった。
今回の調査は、東京都市大学と東急不動産次世代技術センター、ファミリーネット・ジャパン(FNJ)が共同で行ったもの。クラウド型HEMSを装備した東急不動産の分譲マンション「BRANZ」の東京23区及び神奈川県相模原市の居住者に対し実施した。調査は、それぞれの省エネに対する意識や行動についてのアンケートで、さらにその結果と2014年4〜9月のエアコン使用状況を照らし合わせることで、その相関関係を調べた。
それによると、省エネ行動を心掛けていない人のエアコン電力使用量は、心掛けている人に対して1.5倍以上となり、省エネ行動の実行度が高い人ほど電力消費量が少ないという結果が出た(図1)。
また、FNJが提供するHEMSサービスの手続きをしている住戸では、手続きしていない住戸より電力消費量が約2割少なく、HEMSを週に1、2度見る人は見ない人より約2割少ないなど、閲覧頻度が高い人ほど電力消費量が少なくなる傾向があると分かった(図2)。
さらにHEMSに対しての評価は、実際に利用している人は、「見える化」が省エネのきっかけになると考え、満足度や今後の利用意向も高いという調査結果が出ている。一方でHEMSサービスの未利用者は「サービスの存在を知らない」人が55%を占め「手続きの必要性を知らない」人を加えると75%以上を占めており、HEMSの浸透度はまだ低いことが分かった。
この他、この調査から「3人世帯の消費量が一番多く、1人世帯と2人世帯は変わらない」「末子が6歳以上の子供のいる世帯と高齢者世帯で消費量が多い」など家族構成によりエアコン使用の傾向が異なっていることで「子供の年齢に合わせた省エネ行動の誘導、高齢世帯への配慮が必要となる」としている。今後は、引き続き年間を通した電力消費と省エネ行動の関係分析などを進め、効果的な省エネ行動誘導方法を検討していくという。
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