東京タワーのふもとに新たな“環境”スポット登場蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2015年10月08日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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東京をスマートシティへ

 設置に際し、東京都知事の舛添要一氏は主に2つの点で東京都にとって意味があると強調する。

photo 東京都知事の舛添要一氏

 1つ目が環境面でのシンボルとしての役割だ。「現在はベルリンやロンドン、パリ、ニューヨークなど世界的に環境先進都市を目指す競争が生まれている。その中で東京都は、水素社会の実現や省エネ化、再生可能エネルギーの使用比率を現在の6%から2024年に20%に引き上げるなど、日本政府よりも高い目標を持って取り組んでいる。シティチャージはこれらのスマートシティ実現への取り組みの象徴になり得る」と舛添氏は語る。

 もう1つが観光面での「おもてなし」だという。「日本全体を見た時に2015年は約1900万人の外国人旅行者が訪れる見込みだとしており、これは2020年までに2千万人とした政府目標を前倒しで達成するペースだ。しかし、観光を日本の産業としていくことを考えれば日本への旅行者はまだまだ少ない。例えばマレーシアへの旅行者は年間2700万人となっており、日本を上回っている。その意味で眠っている環境資源を掘り起こせばもっと成長できる。その観光面での『おもてなし』を体現する意味でシティチャージには注目している」と舛添氏は述べている。

 シティチャージの充電スタンドは、LightningコネクタやmicroUSB(タイプB)、ドッグコネクタ、フィーチャフォン用外部接続端子、USBなど、国内に流通するほぼ全ての携帯電話に対応した接続端子を用意(図3)。ピクトグラムによる分かりやすい表示も行い、「おもてなし」を体現する。

photo 図3 国内のほとんどの携帯電話に対応した接続端子(クリックで拡大)

 今回シティチャージの開発を行ったシャープでは「太陽電池、蓄電池、LED照明、携帯電話、スマートフォンなどを全て開発しているメーカーであることから参加することができた。創エネ、畜エネ、省エネへの貢献をさらに進めていく」(シャープ 代表取締役専務執行役員 長谷川祥典氏)としている。

 ソーラー充電スタンドは、既に米国・ニューヨークやアラブ首長国連邦のドバイなどでは設置が広がっている。米国では、PENSA design studio、Goal Zero、NRGなどの協業によって運営されている「Street Charge」というソーラー充電スタンドが14カ所で展開。欧州や中南米にも提供を開始しており、徐々に利用範囲を広げている。また、ドバイなどにも別企業が設置された例などがあるという。

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