経済産業省はEVやPHEVの国内乗用車市場に占める割合を2020年に15〜20%、2030年に20〜30%にする計画だ。これに向けて欠かせない充電インフラの普及促進に向け、規制緩和の実施を決めた。
経済産業省が電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のさらなる普及促進に向け、充電器の設置に関する規制緩和の実施を決めた。急速充電器の受電設備から、併設する普通充電器への給電を行えるようにする。今後パブリックコメントの実施を経て、電気事業法施行規則附則第17条第1項の改正などを行い2015年度中に公布する。
EVなどの充電器には普通充電器と急速充電器がある。EVを長時間駐車する場所には普通充電器、長距離走行の途中に短時間停車するサービスエリアなどの場所には急速充電器という配置が一般的だ。
現行の電気事業法では、急速充電器に併設して普通充電器を設置する場合であっても、急速充電器用の受電設備から普通充電器に給電することはできない。つまりわざわざ元の電気の契約場所から受電できるように受電設備を整備しなくてはならなかった。
こうした現行法に対し充電設備の設置事業者から、急速充電器の受電設備からでも給電を可能とするよう特例措置の要望が提出された。充電インフラの整備を重点的に支援している経済産業省は今回の要望が政策目的に沿ったものと判断し、さらに特例措置として対応するのではなく、規制緩和というかたちで要望を受け入れることにした(図1)。
経済産業省は「自動車産業戦略2014」に基づき、次世代自動車の国内乗用車市場に占めEVやPHEVの割合を2020年に15〜20%、2030年に20〜30%にする計画だ。これを実現するためには充電インフラのさらなる整備がかかせない。日本国内には2015年8月末時点で、約1万5000基のEV・PHEV用の充電インフラが設置されているが、今回の規制緩和でさらなる普及を促進する。
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