テーマパークのハウステンボス、同社の子会社であるHTBエナジー、旅行代理店のH.I.S.の3社が協力して、2016年4月から全面自由化される小売電気市場に参入する。これまでの電気会社の料金より「最低でも5%安くなることを保証」するという料金プランを掲げている。
長崎県佐世保市でテーマパーク運営などを手掛けるハウステンボス(HTB)は、2016年4月からの電力小売の全面自由化に合わせ、一般家庭や小規模事業者を対象に電力小売事業を開始する。同年1月3日より、今後詳細な料金プランなどの紹介を受けられる仮登録受付を開始した。同社の子会社であるHTBエナジーが供給する電力を販売する。HTBの親会社である大手旅行代理店のH.I.S.も代理販売を行い、グループ企業同士が協力して顧客確保に注力する。
HTBは詳細な料金などは公表していないものの、特徴的な料金公約を掲げている。「2015年12月時点における各エリアの一般電気事業者(電力会社)が定める電気料金から、最低でも5%の割引を保障する」(同社)というものだ(図1)。
電力小売の全面自由化に向けて各社が続々と電気料金プランを発表しはじめているが、その多くが契約アンペア数に応じて料金体系が変化する。しかしHTBが掲げる「5%割引保証」はアンペア数を問わないという。
電力を供給するHTBエナジーは、HTBと同じく長崎県佐世保市に本拠を置き、電力販売業務とともに、クリーンエネルギーを中心とした電源開発を行っている。現在、大分県別府市でバイナリー方式の地熱発電事業の計画している。こうした再生可能エネルギーの他、LNG火力発電事業の開発も進めている。既に経済産業省に小売電気事業者の登録申請を行っており、現在承認を待っている状態だ。
代理販売を行うH.I.S.は全国に約300カ所の営業店舗を持つ。ユーザーはWebサイトやコールセンターだけでなく、こうした店舗でも電気契約を切り替えられるシステムだ。ユーザーはH.I.S.を通してHTBエナジーと契約を結ぶことになる。契約期間は1年で、継続する場合は更新する仕組みだ。
仮登録受付の開始に合わせ、H.I.S.は旅行商品と電気契約の同時申し込みで、旅行料金が最大3000円割引になるというキャンペーンを展開している。こうしたサービスと「電気料金が確実に5%安くなる」というメリットを訴求して、顧客確保を急ぐ。なおテーマパークのハウステンボスの入場口でも、契約切替に向けた事前仮登録が行える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.