そして「つかう」技術としてFCVの市場投入を進めている。ホンダは世界に先駆けてFCVの研究開発に取り組んできた。1980年代から基礎研究をはじめ、1999年に最初のプロトタイプの自動車を完成した。2002年12月には日本と米国で限定販売を開始。08年には「FCXクラリティ」のリース販売をスタートしている。そして、こうした長年にわたる開発の歴史と市場での経験を元に開発した「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」を3月からリース販売する(関連記事)(図3)。
「CLARITY FUEL CELL」は、搭載している燃料電池スタックは従来型より33%の小型化を図りながら出力は100kW(キロワット)以上、出力密度は3.1kW/l(リットル)と従来比で約60%の向上を実現した。燃料電池パワートレインを、V6エンジンと同等サイズまでコンパクト化し、世界で初めてセダンのボンネット内に集約。これにより、大人5人が快適に座れる、ゆとりあるフルキャビンパッケージを実現している。
同社では今後、FCVが本格的普及するには価格の低減および水素ステーションの整備が重要と考え、「これを実現していくためにも2020年をめどにGMとの共同開発を展開している。またSHSのコストダウンにより水素ステーションの整備に貢献していく」(三部氏)とし、引き続き車と水素供給インフラのコストダウンに取り組む構えだ。これらの活動を進めることで、同社では2030年をめどに四輪車の商品ラインアップにおける販売台数の3分の2程度をHV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、FCV、EV(電気自動車)などに置き換えていく方針だ(図4)。
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エネルギー問題を助ける「水素」、燃料電池車に弱点はないのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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