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» 2016年03月24日 13時00分 公開

いまさら聞けない「フロン排出抑制法」、ついに始まる「漏えい量」の報告義務法制度・規制(2/4 ページ)

[陰山遼将,スマートジャパン]

専門資格者による定期点検の義務化

 フロン排出抑制法の対象となるのは「第一種特定製品」の管理者だ。第一種特定製品とは、業務用空調機器と冷凍冷媒機器で、もちろん冷媒としてフロン類が含まれているものを指す。なお、自動車リサイクル法の対象になるカーエアコンなどは「第二種特定製品」として対象に含まれない。

 今回の改正で、この第一種特定製品の管理者(利用者)に対してさまざまな役割と義務が課された。その中の1つ目の大きなポイントが、機器の点検の義務化だ。全ての第一種特定製品は、最低でも3カ月に1回以上の簡易点検を行う必要がある。そして、圧縮機の原動機やエンジンの出力が7.5kW(キロワット)以上の製品については、冷媒フロン類取扱技術者をはじめとする資格や専門知識を持った者による定期点検を行う必要がある(図3)。簡易点検と定期点検の2つに対応してなくてはならない。

図3 義務化される点検の概要(クリックで拡大)出典:環境省

 2つ目のポイントが、機器の点検や修理、フロンの充填(じゅうてん)・回収といった履歴を全て保存することが義務化されている点だ。そしてこの記録はその機器が破棄されるまで保持する必要がある。

 そして3つ目のポイントとなるのが、点検によってフロン類の漏えい量が一定量を超えた場合、国に対して年次報告を行うことが義務化された点だ。漏えい量は常に計測することは難しいため、点検の際などに充填するフロンの量などから算出する。この量がCO2換算で1000トンを超えた場合、報告義務が生じ、そしてこの結果は公表される。この漏えい量報告は今回のフロン排出抑制法から織り込まれた制度で、この1年間で1000トンを超えた管理者の第1回目の報告が2016年4月から始まることになる。

図4 漏えい量報告制度のイメージ(クリックで拡大)出典:経済産業省

 CO2換算で1000トンの漏えい量とはどれくらいの事業規模が目安になるのか。ダイキン工業の試算では、総合スーパーなどの大型小売店舗(床面積:1万平方メートル)の場合は6店舗、食品スーパー(床面積:1500平方メートル)の場合は8店舗、コンビニの場合は80店舗が目安になるという。大手の小売企業であればほとんどの企業に報告義務が発生すると想定できる。また、こうした複数の事業所を持つ管理者の場合、事業所ごとでなく全ての合計を報告する必要がある。つまり、これらの情報を一括して収集・管理するためのシステム構築といった対策も必要になる。

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