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» 2016年03月24日 13時00分 公開

いまさら聞けない「フロン排出抑制法」、ついに始まる「漏えい量」の報告義務法制度・規制(3/4 ページ)

[陰山遼将,スマートジャパン]

グループ企業をまとめて管理、資格者も育成

 セミナーでは実際にこのフロン排出抑制法への対応を進めてきたイオンとローソンの2社が登壇し、それぞれの取り組みと現状について説明した。

イオン グループ環境・社会貢献部 部長 金丸治子氏

 イオンでは2014〜2015年にかけて社内で周知を開始。同社はグループ会社を含めると30社以上になり、こららの全ての事業所で利用しているフロン機器を一元管理できる体制を構築した。「イオングループとして年間の冷媒排出量の管理と報告が行えるようにした。そしてこれらの項目をISO14001の内部監査項目として設定した」(イオン グループ環境・社会貢献部 部長 金丸治子氏)という。

 機器の管理には、日本冷媒・環境保全機構が提供している冷媒管理システムを活用した。現時点で定期点検の対象となる出力7.5kW以上の設備を3万2000件以上登録して管理を進めており、同時に有資格者をグループ全体で400人以上育成したという。一方で「現空調によっては目に見えないところに設置されているものもあり、全ての管理台帳を作るのは非常に大変な作業」と現場側の負担が大きいという点も指摘した。

 今後についてはフロンではなく自然冷媒(CO2冷媒)を使用した機器の導入を進めていく方針だ。既に新店舗においては自然冷媒機器を採用している。しかし導入コストの高さや、既存店舗にスムーズに導入するためにはさらなる技術改良が必要であるなど、現時点では導入ハードルが高い点にも言及した。

ローソンは自然冷媒の導入を促進

ローソン 開発本部 海外事業本部 本部長補佐の宇都慎一郎氏

 コンビニ大手のローソンでは、2011年から自然冷媒を冷凍に使用した冷凍・冷蔵機器の導入を開始した。これについてローソン 開発本部 海外事業本部 本部長補佐の宇都慎一郎氏は「将来的にフロンは使用しないという方向で規制が進んでいる中で、既存の機器を代替フロンのものに置き換えるのでなく、最初から一気にノンフロン化(自然冷媒の採用)を進めたほうが、長期的には投資コストを削減できるという判断だ」と述べる。 

 2016年2月末時点で、全国1294のローソン店舗にノンフロン冷凍・冷蔵システムを導入した。これはローソン前店舗の約10%に相当する。こうした自然冷媒機器の導入については「メーカー側も自然冷媒を採用した製品は開発しているが、まだ導入実績が少ない状況であり、苦労も多かった。現在も施工技術者の育成や、運用保守体制をメーカーと一緒に構築していくような形で導入を進めている。2017年末には全店の20%をノンフロンにしていきたいと考えている」という。

 自然冷媒機器の今後のさらなる普及に向けた課題としては、CO2冷媒は高圧ガス保安法により一定規模の機器を使用する場合には届け出が必要になっており、この規制が導入促進の大きな阻害要因担っている点などを指摘している。

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