750台の小型パワコンを分散配置、ゴルフ場跡地に15MWのメガソーラー太陽光

タカラレーベンが栃木県那須郡に建設を進めていたメガソーラー「LS 那須那珂川発電所」が完成した。地形が複雑なゴルフコースの跡地に対し、小型パワコンを分散配置することで効率よくパネルを設置しているのが特徴だ。

» 2016年04月08日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 タカラレーベンが建設した「LS 那須那珂川発電所」は(栃木県那須郡那珂川町三輪)、かつてゴルフコースだった土地を活用したメガソーラーだ(図1)。発電出力は15MW(メガワット)で、年間の発電量は一般家庭約3700世帯分の電力消費量に相当する2100万kWh(キロワット時)を想定している。

図1 「LS 那須那珂川発電所」の外観。ゴルフコースだった土地を活用した 出典:タカラレーベン

 発電所の敷地面積は40万平方メートル。東京ドーム8.5個分に相当する敷地だ。ここに出力165kWの太陽光パネルを12万枚設置している。太陽光パネルはソーラーフロンティア製のCIS薄膜型を採用した。

 この発電所の大きな特徴がパワーコンディショナーの設置方法だ。敷地全体にデルタ電子製の750台の小型パワーコンディショナーを分散設置している。ゴルフ場跡地の場合、コースごとに敷地の区画や高低差が異なるなど複雑な形状の場合が多く、セントラル(一括入力)型のパワーコンディショナーでは太陽光パネルを効率良く設置しにくい。

 LS 那須那珂川発電所では小型のパワーコンディショナーを分散設置することでこうした課題を解決するとともに、故障時リスクの低減も図った。タカラレーベンによれば「特別高圧規模のメガソーラーとしては国内で初めて小型パワーコンディショナーを分散設置した発電所になる」という。

 さらに太陽光パネルを設置するエリアでは、造成工事を行わないことを基本に1本脚杭方式の基礎架台を採用した。これにより東西方向のアレイ段差が小さくなるとともに、杭の打設本数は既存方式と比較して半分以下になり、工程短縮や環境負荷を低減する効果もあるという。

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