FIT改正で動き出す太陽光O&M市場、各社独自の強みを生かす太陽光(2/3 ページ)

» 2016年07月07日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

分散パワコンに最適な「発電見張り番」

 未来工業は同社の遠隔監視システム「発電見張り番」を展示した。特徴とするのは発電所内にある複数のパワコンごとに発電量を監視できる点だ。パワコンは最大23個まで同時計測に対応する。パワコンごとに監視を行うことで、発電所内の系統ごとの発電量と発電効率を細かく把握できる。これにより何かのトラブルで発電量が下がった場合に、どの部分に異常が起きているのかを確認しやすいというメリットを訴えた。

図3 発電量の監視画面のイメージ。1分、30分、日、月単位で閲覧できる 出典:未来工業

 ユーザーに対しては、計測した発電量とともに売電金額の見込みも通知する(図2)。こうした情報はPCやタブレット端末、スマートフォンなどを通していつでも確認できる仕組みだ。管理画面では、発電見張り番を導入した複数の太陽光発電所の情報をまとめて閲覧することもできる。パワコンの停止、発電異常などが起きた際にはメールですぐに通知する。

図4 管理画面のイメージ 出典:未来工業

 価格は規模に応じた個別見積もりとなる。低圧と高圧(2MWまで)のどちらの発電所にも対応し、インターネット環境がない場合でも導入できる。ただ、その場合は導入費に加えて月額の通信料が掛かる。計測したデータの保管期間は20年間としている。

営業網と豊富な人材を武器にするNTTファシリティーズ

 NTTファシリティーズは同社の強みとする運用保守体制をアピールした。同社は2013年からO&Mサービスを提供しているが、2016年6月現在全国で約500MW、合計297カ所の太陽光発電所の運用保守を手掛けているという。発電量の遠隔監視や点検、異常時の駆けつけと修理、電力系統の異常でパワコンが停止した際の遠隔再起動など、さまざまなサービスをオールインワンで20年間提供しているのが特徴だ(図5)。

図5 NTTファシリティーズのO&Mサービスの概要

 同社が強みとするのは全国260カ所にある保守拠点と、専門技術者による24時間365日のサポート体制だ。拠点にはNTTグループの電話交換所の保守拠点も活用している。出力2MW以上の発電所の点検に対応できる第2種の電気主任技術者を全国で120名以上かかえているなど、豊富な人材も強みだという。O&Mサービスの価格は1MW当たり100万円が目安になるとしている。

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