土地以外のスペースを太陽光発電に活用する試みは駐車場でも始まっている。最先端の有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどを製造する双葉電子工業の工場の構内では、太平洋沿岸に降り注ぐ豊富な日射量を生かして、カーポート型のメガソーラーが2015年6月に発電を開始した(図3)。
広さが2万6000平方メートルある駐車場は工場の従業員用で、1200台分のスペースがある。その屋根に太陽光パネルを搭載して1.7MWの太陽光発電を可能にした。年間の発電量は170万kWhの想定で、470世帯分の電力を供給できる。再生可能エネルギーによる電力を増やすだけではなく、駐車中の車の日よけにもなるため、夏の暑い時期に車内温度の上昇を防ぐ効果もある。
屋根を利用したメガソーラーは物流施設にも広がってきた。首都圏のベッドタウンとして人口が増加する千葉県北部の柏市では、駅に隣接する地上6階建ての物流施設の屋上でメガソーラーが稼働中だ(図4)。
1万4500平方メートルの屋根に4450枚の太陽光パネルを設置して、2015年8月に運転を開始した。1.2MWの発電能力があり、年間の発電量は120万kWhを見込んでいる。発電事業者の日本ベネックスが物流施設の屋根を賃借して運営するメガソーラーである。
同様のメガソーラーは同じ千葉県内の流山市でも2014年10月から稼働している。高速道路のインターチェンジに隣接する5階建ての物流施設の屋根を利用したもので、発電能力は2.3MWに達する(図5)。柏市の発電設備と合わせると、一般家庭で930世帯分の電力を供給できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.