太陽光関連企業の倒産、2016年は過去最多を更新か太陽光(1/2 ページ)

FIT買い取り価格の引き下げなどにより、国内の太陽光発電の市場環境が厳しさを増す中、関連企業の倒産ペースも増加していることがわかった。東京商工リサーチが発表した太陽光関連事業者の倒産状況調査によると、2016年上半期の倒産件数は前年同期比24%増の31件で、過去最多ペースで推移している。

» 2016年08月03日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 東京商工リサーチは2016年上半期(1〜6月)の太陽光関連事業者の倒産状況を発表した。太陽光関連事業者をソーラーシステム装置の製造、卸売、小売を手掛ける企業、システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業などを展開する企業と定義し、集計した。

 2016年上半期の倒産件数は前年同期比24%増の31件で、2000年以降の上半期ベースでは過去最多を記録した。年間ベースで見ても過去最高だった2015年の54件に次いで、既に2番目の記録となっており、過去最多ペースで推移している(図1)。

図1 太陽光関連企業の倒産状況(クリックで拡大)出典:東京商工リサーチ

 2016年上半期の負債総額は前年同期比18.6%増の176億3200万円だった。年間ベースで最多を記録した2015年(1〜12月)の負債総額は213億5500万円で、このままで推移すると2016年は過去最高を上回る可能性が高い。

 2012年7月に導入された再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を契機に、太陽光関連事業に多くの事業者が参入し、市場拡大が続いた。しかし買い取り価格の段階的な引き下げや事業者の乱立による競争激化など、厳しい市場環境となりつつある。それに伴い事業が立ち行かなくなるケースも急速に増加しているようだ。

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