一方の需給管理では、(1)広域機関に計画を提出、(2)日々の需給を管理・監視、(3)電力卸売市場において取引を実行、といった業務が中心となる。電力分野に初めて参入する事業者にとってはハードルが高いものの、事業の核になる業務であり、顧客管理と同様に競争力に大きく影響する。
中長期的に電力の小売事業を継続する場合には、需給管理の業務も自社で対応するのが理想的である。10年間にわたる中長期の計画を広域機関(電力広域的運営推進機関)に提出するとともに、日々の計画を提出しながら、翌日・当日の需給計画の策定と監視を実行しなくてはならない。供給面では日々の過不足電力量をもとに、卸市場などから電力を調達することも重要な業務となる。
小売電気事業者にとっては、当初の体制づくりや運用のノウハウをどのように取得するのか、といった課題が数多くある。適正な収益を得るために、業務の立ち上げには特に慎重を要する。業務全般を効率よく実行するうえではIT(情報技術)の活用も欠かせない。次回は電力の小売業務に必要な顧客情報管理システム(CIS:Customer Information System)を構築するポイントを解説しよう。
連載第6回:「電力小売の顧客管理システム、いかにコストを最小に抑えるか」
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小売営業ガイドラインが固まる、セット販売の説明や電源構成の開示などCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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