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» 2016年08月10日 15時00分 公開

電力自由化で勝者になるための条件(5):電力の小売事業を支える顧客管理業務、契約申込から料金計算まで幅広い (2/2)

[平松 昌/エネルギービジネスコンサルタント,スマートジャパン]
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需給管理は10年間を見据えた体制が必要

 一方の需給管理では、(1)広域機関に計画を提出、(2)日々の需給を管理・監視、(3)電力卸売市場において取引を実行、といった業務が中心となる。電力分野に初めて参入する事業者にとってはハードルが高いものの、事業の核になる業務であり、顧客管理と同様に競争力に大きく影響する。

 中長期的に電力の小売事業を継続する場合には、需給管理の業務も自社で対応するのが理想的である。10年間にわたる中長期の計画を広域機関(電力広域的運営推進機関)に提出するとともに、日々の計画を提出しながら、翌日・当日の需給計画の策定と監視を実行しなくてはならない。供給面では日々の過不足電力量をもとに、卸市場などから電力を調達することも重要な業務となる。

図2 電力CIS(顧客情報管理システム)の外部連携(画像をクリックすると拡大)。OCCTO:電力広域的運営推進機関、JEPX:日本卸電力取引所、GW:ゲートウエイ

 小売電気事業者にとっては、当初の体制づくりや運用のノウハウをどのように取得するのか、といった課題が数多くある。適正な収益を得るために、業務の立ち上げには特に慎重を要する。業務全般を効率よく実行するうえではIT(情報技術)の活用も欠かせない。次回は電力の小売業務に必要な顧客情報管理システム(CIS:Customer Information System)を構築するポイントを解説しよう。

連載第6回:「電力小売の顧客管理システム、いかにコストを最小に抑えるか」


著者プロフィール

平松 昌(ひらまつ まさる)

エネルギービジネスコンサルタント/ITコスト削減コンサルタント。外資系コンピュータベンダーやベンチャー事業支援会社、電力会社の情報システム子会社を経て、エネルギービジネスコンサルタントとして活動中。30年間にわたるIT業界の経験を生かしてITコスト削減支援および電力自由化における新電力事業支援を手がける。Blue Ocean Creative Partners代表


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