風力発電のブレード点検はドローンで、義務化進む風力発電の定期点検に対応自然エネルギー

エアロセンスは、古河電工グループの商社である古河産業と、エアロセンスの自律型無人航空機システム(ドローン)による風力発電所のブレード点検を開始した。

» 2016年09月05日 13時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 エアロセンスは2015年8月に、ZMPとソニーモバイルコミュニケーションズが設立した産業用ドローンのベンチャー企業である。産業用無人機による計測プラットフォームの開発製造と、関連するソリューションの提供を行っている。

 風力発電は再生可能エネルギーとして導入余地が大きいことから普及が進んでいる。最近では発電効率を高めるために大型化が進んでいる。一方で、整備不良や落雷などによる風車落下事故が増えており、その危険性からメンテナンスの徹底が求められるようになっている(関連記事)。定期点検の義務化なども進められているが、メンテナンスのための高所作業などの人材確保や、点検による発電機会損失などが、発電事業者にとっては負担が大きく、安全性確保の大きな課題となっていた(関連記事)。

 そこで、これらの負担を軽減するためにエアロセンスと古河産業が展開するのが、今回のドローンによるブレード点検サービスである。ドローンを活用することで、望遠鏡を使った目視点検よりも細かな傷の確認が可能になり、点検精度を向上させることが可能。さらに、雷撃などの事故時に迅速に損傷状況なども確認することもできる。

 ロープワークなどの高所作業に必要な準備や必要な時間に対して、ドローンは準備も簡単で点検時間を短縮することなども可能となる。また、点検データを確実に記録し設備の維持管理に利用することができることから、修理作業全体の効率化などにも貢献する。

photophoto ドローンで風力発電所のブレードの近接撮影が可能(左)、エッジ部分の塗装が剥離している様子なども発見できる(右) 出典:エアロセンス

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