モジュールの部分的な異常発熱であり、発電量の低下を招く可能性もある「ホットスポット」を検証する場合には、現場で取得したデータをソフトウェアで分析することが不可欠である。下記の画像(図9)に、サーモグラフィによる現場での視認画像と、分析後の画像を比較したものを示す。
この例において、現場の視認画像のみではセル単体の発熱と認識されがちだが、実際に分析するとバスバーが発熱していることがわかる。以上のように本件はバスバーの剥離(はくり)によって温度分布の異常が起きていたわけだが、メーカーとの交換交渉などでは、このように詳細かつ具体的なデータを提供した方が交渉がスムーズに進む場合が多い。
サーモグラフィ検査は太陽光発電設備における発電量への影響のみならず、電気的な安全性の確認に大きく寄与する検査であり、点検で毎回実施するべき項目といえるだろう。なお、次回の連載ではIVカーブ測定について解説する予定だ。
目視で見つけるトラブルの火種
太陽光発電所を襲う「見えない傷」、現場で見つけて発電量を守る
不良施工はFIT認定取り消しか、太陽光発電設備の安全規制強化Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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