メガソーラー最後のフロンティアか、京セラが水上設置型を10カ所増やす太陽光(1/2 ページ)

最適立地が減少する中、国内のメガソーラーの最後のフロンティアとして見られているのがダムや貯水池などの水上を利用する「水上メガソーラー」である。京セラは東京センチュリーリースと共同出資している水上設置型太陽光発電所の建設状況を報道陣に公開した。

» 2016年09月29日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 京セラと東京センチュリーリース(東京都千代田区)が共同出資する京セラTCLソーラー合同会社は2016年9月26日、山倉ダム(千葉県市原市)のダム湖で水上設置型の太陽光発電所「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」の建設現場を公開した。同発電所は2015年12月に着工し、現在約6割が完成した。最終的に2017年度中の稼働を目指している(図1)。

photo 図1 現在約6割が完成している「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」の建設現場(クリックで拡大)

今後3年間で10カ所の水上メガソーラーを拡大へ

 全国各地で太陽光発電所の建設が進み、事業用地が減少していく中、同社は、ダムやため池などの水上設置型に注目し、水上ソーラー発電所の整備と運営を手掛けている。そのメリットについては「水上設置による冷却効果で、発電量の拡大が期待できるという発電側のメリットに加え、貯水の蒸発抑制、藻類の異常発生の抑制効果および、水面使用に対する賃料で、貯水池を維持管理ができるという貯水池側のメリットがある」としている。

 2015年3月に兵庫県加東市で約1.7MW(メガワット)、同年6月には兵庫県加西市で約2.3MWなど、これまでにそれぞれ当時の世界最大となる水上ソーラー発電所を相次いで完成させてきた。ここまで4カ所の同発電所を運営し、今回の「千葉・山倉水上メガソーラー発電所」が5カ所目となる。国内には、ダムやため池、調整池などが数多くあることから、引き続き水上ソーラー発電所の建設を積極的に進める方針で「今後3年間で10件程度を手掛けていく」と意欲を見せている。

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