電気料金の常識を覆す「基本料金0円」のプランを展開するLooopが新たに北海道・中国地域の単価を発表した。すでにサービスを開始している東北・東京・中部・関西・九州と合わせて全国7地域に拡大する。使用量に応じて課金する電力量料金だけのプランで、しかも単価は地域ごとに一律だ。
連載:「電気料金の新プラン検証シリーズ」
太陽光発電システムを開発・販売するLooop(ループ)が4月1日に開始した「Looopでんき」の料金体系は衝撃的だった。電力の世界で常識になっていた「基本料金(月額固定)+電力量料金(従量課金)」の体系をとらず、「基本料金0円」の斬新なプランを打ち出したからだ(図1)。
当初は東京・中部・関西電力の管内から電力の供給を開始して、9月末の時点で契約件数が2万5000件を突破した。さらに9月から12月にかけて、東北・九州・北海道・中国電力の管内へサービス範囲を拡大していく。
「Looopでんき」には家庭向けの「おうちプラン」と事務所・商店向けの「ビジネスプラン」の2種類がある。どちらも基本料金0円に加えて、従量制の電力量料金の単価を月間の使用量に関係なく一律に設定した(図2)。電力会社の家庭向けの標準的なプランでは使用量が多くなるに従って単価は3段階で高くなっていく。「おうちプラン」は使用量の多い家庭ほど毎月の電気料金が割安になる仕組みだ。
10月6日にサービスを開始した九州電力の管内で電気料金を比較してみる。契約電力が40A(アンペア)で月間使用量が520kWh(キロワット時)の家庭の場合に、九州電力の標準メニューである「従量電灯B」よりも月額で992円、年間だと1万1904円安くなる(図3)。一般的な家庭(30A、300kWh)の使用量で比べても、「おうちプラン」は月額の電気料金が6900円で、「従量電灯B」の7021円よりも安い。
「おうちプラン」の単価は各地域の電力会社が「従量電灯」で設定している3段料金のうち、2段目の単価とほぼ同じ水準だ。たとえば東京電力の管内では「従量電灯B」の26円/kWhと同額で、九州電力の管内では「従量電灯B」(22.69円/kWh)よりも少し高い23円/kWhである(図4)。月間の使用量が300kWhを超えて増えていくほど、「おうちプラン」のほうが割安になる。
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