テスラが「発電する屋根」を開発、脱自動車メーカーを図る狙いと展望太陽光(1/3 ページ)

米EVベンチャーのテスラ・モーターズが、屋根と一体化した斬新な太陽光パネルを発表した。遠目には太陽光パネルと分からない意匠が特徴の製品で、2017年夏から米国で生産を開始する。同時に容量を倍増した新型蓄電池も発表した。SolarCityの買収計画、パナソニックとの提携推進など、EVメーカーの枠を越えたテスラの「総合エネルギー企業化」への動きが加速している。今後の同社の戦略の鍵となるのは、SolarCityの買収手続きをいつ完了できるかになりそうだ。

» 2016年11月01日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 米国の電気自動車(EV)ベンチャーであるTesla Motors(以下、テスラ)は2016年10月28日(現地時間)、住宅用の屋根タイルと一体化した太陽光パネル「Solar Roof」を発表した(図1)。同社が買収手続きを進める米国の太陽光パネルメーカーSolarCity(ソーラーシティ)と共同開発した製品で、2017年夏から米国で生産を開始する見込み。

図1 開発した「Solar Roof」を手にするTesla Motors CEOのCEOのイーロン・マスク氏 出典:Tesla Motors

 Solar Roofの最大の特徴は太陽光パネルに見えないという点だ。主に強化ガラス、ルーバーフィルム、高効率太陽電池セルの3層で構成されており、屋根に設置しても遠目からだと一般的な屋根タイルのように見える。現時点では4種類のデザインを公開している(図2・3)。

図2 4種類の「Solar Roof」出典:Tesla Motors
図3 「Solar Roof」を設置した住宅 出典:Tesla Motors

 現時点で発電効率や詳しい価格などは公開されていないが、ソーラーシティによれば一般的な屋根の建築費用と従来の家庭の電気料金の組み合わせよりは安く提供できる見込みとしている。生産は2017年夏から米国で開始する予定だ。製造を行うと見られるのはソーラーシティがニューヨーク州バッファローに建設中の新工場だ。

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