ここ数年で東京都内の電力供給に伴うCO2排出量は着実に減ってきた。2015年度は2年前の2013年度と比べて10%少なくなった。それに合わせてCO2排出係数も0.522から0.492kg-CO2/kWhに低下している(図3)。都内の電力の大半を供給する東京電力のCO2排出係数は2015年度に0.491kg-CO2/kWhだった。
都内のCO2排出量が低下した最大の要因は、再生可能エネルギーによる電力が増加したことだ。2015年度は2013年度から40%も増えた。このペースで伸びていけば、都内の電力供給に伴うCO2排出係数は基準値の0.4kg-CO2/kWhに近づいていく。
電力会社を中心とする全国のCO2排出係数を見ると、東日本大震災が発生した2011年度から火力発電の増加によって急上昇したが、その後は2012年度をピークに減ってきた(図4)。それでも2015年度のCO2排出係数は全国平均で0.534 kg-CO2/kWhと高く、東京都の基準値を30%以上も上回っている。
今後は電力会社を中心にCO2排出量の少ないLNG火力の比率を高めながら、再生可能エネルギーによる電力が増えてCO2排出係数は低下していく。電力会社10社を含む大手35社の事業者は、2030年度のCO2排出係数を0.37kg-CO2/kWhまで引き下げる目標を掲げている。この目標を達成できれば、国全体のCO2排出量の削減目標(2013年度比で26%削減)に見合う。ようやく現時点の東京都の基準値よりも低くなる。
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