AIがチャットで顧客対応、エネルギー業界の言葉も使いこなすIT活用(1/2 ページ)

トッパン・フォームズは、エネルギー事業者が顧客サポート業務に活用できるAIチャットボットサービスの提供を開始した。Webやスマートフォン上で、顧客の質問に対してAIが自動で回答を行うシステムで、業務の効率化や省人化に活用できる。エネルギー業界特有の専門用語にも対応できるようにしたのが特徴だ。

» 2017年02月16日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 ECサイトや金融業界などを中心に、顧客サポート業務にAI(人工知能)を活用した「AIチャットボット」を導入する動きが進んでいる。Webまたはスマートフォンのアプリケーション上で、顧客からの質問などに自動で応答するシステムだ。企業は従来電話やメールで行っていた顧客サポート業務をチャットボットで自動化することで、省人化や業務の効率化を図れるメリットがある。

 エネルギー事業者向けに業務支援サービスを展開しているトッパン・フォームズは、2017年2月15日から「AIチャットサービス」の提供を開始した。エネルギー事業者向けのAIチャットボットである。「電力・ガス新ビジネスEXPO2017」(2017年2月15〜17日、東京ビッグサイト)で披露した(図1)。

図1 「AIチャットサービス」の概要(クリックで拡大)

 AIチャットサービスは、ビッグデータ解析などを手掛けるユーザーローカルが提供している「サポートチャットボット」というサービスをベースに、エネルギー業界向けにカスタマイズを行ったものだ。トッパン・フォームズはエネルギー事業者向けにBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供している。その一環として代行しているコールセンター業務の問い合わせ対応履歴のデータを活用することで、エネルギー業界特有の単語などにも対応できるシステムとなっている。

 例えばWebサイト上のチャット画面で、「電力自由化とは」と入力すると、AIが自動で答えを返してくれる。申し込み手続きの方法、電気料金の目安といったFAQにも対応が可能だ。さらにAIチャットサービスのAIは、機械学習によって“成長”する。つまり、利用回数が増加するにしたがって、回答の精度も向上していく仕組みだ(図2)。

図2 チャット画面のイメージ。質問を入力すると、一瞬で回答が返ってきた(クリックで拡大)
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