太陽・風・水・地熱・森林に恵まれた南国に、CO2フリーの電力が広がるエネルギー列島2016年版(45)宮崎(2/4 ページ)

» 2017年03月07日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

九州で最大のメガソーラーを建設中

 太陽光発電でも大規模なプロジェクトが相次いでいる。県中部の国富町(くにとみちょう)ではゴルフ場の跡地が巨大なメガソーラーに生まれ変わった。50万平方メートルの用地に10万枚以上の太陽光パネルを設置して、発電能力は33MWに達する(図4)。NTTファシリティーズが全国70カ所以上に展開する太陽光発電所の中で最大だ。

図4 「宮崎亀の甲太陽光発電所」の全景。出典:NTTファシリティーズ

 2017年1月に運転を開始した。年間に4000万kWhの電力を供給できる見込みで、一般家庭の1万1000世帯分に相当する。国富町の総世帯数(7600世帯)の1.5倍にのぼる。CO2を排出しない再生可能エネルギーの電力を地産地消する取り組みが県内の町や村に広がっていく。

 さらに規模の大きいメガソーラーの建設も始まっている。宮崎市の中心部から5キロメートルほどの距離にある山間部では「細江メガソーラープロジェクト」が進行中だ。もともとゴルフ場を建設する予定だった場所で、面積は140万平方メートルに及ぶ(図5)。発電能力は96MWに達して、大分県の「大分ソーラーパワー」(82MW)を抜いて九州で最大の太陽光発電所になる。

図5 「細江メガソーラープロジェクト」の完成イメージ。出典:パシフィコ・エナジー

 2015年3月に着工済みで、2018年の第2四半期(4〜6月)に運転を開始する予定だ(図6)。最新のメガソーラーでは設備利用率が15%を超えることから、年間の発電量は1億3000万kWh程度を見込める。一般家庭の3万6000世帯分の電力になり、宮崎市の総世帯数(17万7000世帯)の2割をカバーできる。

図6 「細江メガソーラープロジェクト」の建設工事の様子。出典:パシフィコ・エナジー

 宮崎県は全国でもトップクラスの日射量に恵まれている。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が算出した太陽光発電に利用できる日射量のデータを見ても国内最高のレベルだ(図7)。同じ発電能力のメガソーラーでも、全国の平均と比べて1割以上も多く電力を生み出せる。

図7 年間最適傾斜角の斜面日射量(画像をクリックすると全国を表示)。数値の単位はキロワット時/平方メートル・日。出典:NEDO

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