京セラは住宅向けの定置型リチウムイオン蓄電システムの新製品を販売する。今後拡大するとみられる住宅太陽光発電の自家消費ニーズをターゲットにした製品だ。容量3.2kWhで、小型なのが特徴だ。これまで設置が難しかった集合住宅や屋内にも設置可能としている。
京セラは、国内住宅用定置型リチウムイオン蓄電システムの新製品として、業界最小・最軽量クラス(同社調べ)をうたう3.2kWh(キロワット時)の蓄電システム「EGS-LM0320」を2017年4月から発売すると発表した。希望小売価格は税別150万円。新製品は、同容量としては小型軽量であることから、設置性や施工性が向上し、戸建住宅のほか、これまで設置が難しかった集合住宅、さらに屋内にも設置可能だ。また、蓄電容量を小さくし、価格を抑えることで導入しやすくした。
2012年にスタートした「固定価格買取制度」の電力買取価格は毎年低下を続ける一方、電力料金上昇の懸念、災害時の電源確保、環境意識の高まりなどから、今後は電力の自家消費を目的とした太陽光発電システム、蓄電システムの導入が増加していくと考えられている。また、2019年以降、太陽光発電の余剰電力買取制度の買取期間が終了する住宅では、新たに蓄電システムを導入して、既設の太陽光発電システムを有効活用しようとする動きが広がると予想される。小型スタンダードタイプの新製品は、このような導入ニーズをターゲットにした製品で、多様な設置条件への対応、価格低減を図った。
サイズは530×300×650mm(ミリメートル)と、「同容量として業界最小最軽量クラス」(京セラ)としており、設置しやすく施工性が高い点を特徴とする。7.2kWhタイプの従来製品は主に戸建住宅向けだったが、新製品はコンパクト設計により、集合住宅の各住戸玄関脇の限られたスペースなど多様な設置条件に対応する。屋内にも設置でき、塩害地域などの屋外設置が困難な地域でも導入可能だ。本体重量は約54kgで、ブロック基礎による簡易施工で設置できる。
蓄電容量を3.2kWhに小容量化し、7.2kWhタイプと比較して安価な価格帯にすることで経済的な負担を軽減する。さらに充電時、放電時ともに95.5%の高い電力変換効率により電力損失を低減し、太陽光発電で創った電気を無駄なく、有効に活用できる。
この他、太陽光発電システムで創った電気を売電優先にする「通常モード」、蓄電優先にする「グリーンモード」の2つのモードから、利用者のニーズに合わせた設定が可能だ。
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