北海道で蓄電池を併設したメガソーラーが相次いで稼働を開始している。再生可能エネルギーの課題である出力変動の対策として、蓄電池を活用しようという考えだ。接続可能量の制限や買取価格の下落が続く中で、新しい太陽光発電の運営手法として定着するかに期待がかかる。
出力が変動する再生可能エネルギー電源。接続量が増えるほど、電力系統に与える影響も大きくなる。そこで太陽光発電所に蓄電池を併設することで短周期の変動を吸収し、系統への影響を抑える取り組みが広がっている。全国でも特にその動きが広がっているのが北海道だ。2017年4月から蓄電池併設型のメガソーラーが複数稼働を開始した。
北海道電力管内は電力系統の規模が約400万kW(キロワット)程度と、他地域より圧倒的に小さい。これは東日本エリアの約11分の1、西日本エリアの約15分の1の規模である。一方で2012年から「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」がスタートし、再生可能エネルギー電源の接続量は急拡大した。2015年9月末時点における導入量は2012年3月末から3割増の約280MWまで拡大しており、特に太陽光発電については約3年半で8倍近い80.4MWまで増加した。
そこで現在、北海道電力は接続申し込みが400MWを超えた分のメガソーラー案件について、系統連系の条件に蓄電池の併設を求めている。具体的には「メガソーラー出力の変動幅を蓄電池の充放電制御と連係した合成出力で1分間にパワコン定格出力の1%以内に収める」という技術要件を提示している。
こうした北海道電力の提示する技術要件を受け、民間事業者が手掛ける案件では道内初となる蓄電池併設のメガソーラーが稼働を開始した。フージャースコーポレーションが北海道沙流郡日高町に建設した「日高庫富太陽光発電所」だ。2017年4月2日から稼働を開始した。
約25.5ha(ヘクタール)の土地を活用したメガソーラーで、出力は10.2MW、年間発電量は1200万kWhを見込んでいる。出力変動を吸収するために、リチウムイオン電池を併設した。
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