太陽光パネルが吹き飛ぶ、実は危ないボルトの“締めすぎ”太陽光(2/3 ページ)

» 2017年04月27日 07時45分 公開
[O&M JapanITmedia]

適正トルク管理をおろそかにしない

 定期点検では、ボルトにつけられた「合いマーク」という印の目視確認や触診、疑わしい場合にはトルクレンチによるトルク管理をおこなうことが重要です。メーカー別・製品別にトルクの標準数値があることを押さえておくべきでしょう。

 ボルト・ナットの設置時には、「過剰トルク」(締めすぎ)という問題が起こることもあります。締め付けすぎることで抑え金具が浮いてしまい、逆に外れやすくなってしまうのです。

締めつけすぎの状態(クリックで拡大)

  過剰トルクは、下図のように抑え金具と架台の間に「スペーサー」を入れることにより回避できる問題です。

スペーサーを用いることで過剰トルクを抑えることができる(クリックで拡大)

 適正なトルクを把握するには、以下の数式で考えます。Nがトルク(ねじりの強さ)を示します。

N = r×F

 Fは物体に加わる力、rは回転の軸からみた力の加わる点までの距離(ベクトル)を表します。トルクNはベクトル量であり、Nの向きを進行方向とする右ネジ回りに物体を回転させる効果をもちます。Fが等しいとき、腕の長さrが長いほうが物体を回転させる効果(N)が大きいということになります。

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