「原発停止で落ちた自己資本比率を20%に」 九電が経営計画を発表電力供給(2/2 ページ)

» 2017年06月07日 09時00分 公開
[庄司智昭スマートジャパン]
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IPP事業はアジアを中心に

 成長分野における事業では、特に海外電気事業の展開、アライアンスによる九州以外での自社電源開発、再生可能エネルギーに関するワンストップサービスに注力する。

 海外事業で軸となるIPP(Independent Power Producer)事業では、市場の成長性が高いアジアを中心にガスや石炭火力、地熱を重点分野に、優良案件の開発と参画に取り組むという。2017年3月にはインドネシア サルーラ地区で、地熱IPPプロジェクトの初号機が営業運転を開始した。これは地熱資源開発から発電まで一貫して開発し、30年間インドネシア国有電力企業に売電する事業だ。出力は32万kW(キロワット)。九電が25%出資している他、伊藤忠商事、メドコパワー、国際石油開発帝石、オーマットが参画している。2017年中に第2号機、2018年には第3号機が運転を開始する予定である。

海外電気事業の概要 (クリックで拡大) 出典:九州電力

 九州域外での自社電源開発に向けては、出光興産と東京ガスと共同で千葉袖ケ浦エナジーを設立。千葉県袖ケ浦市での石炭火力発電所開発に向けた検討と環境影響評価の手続きが進められている。総出力は200万kW、燃料は石炭(バイオマス混焼なども検討)である。1号機が2025年度、2号機が2026年度に運転を開始する予定だ。

 再生可能エネルギー事業は、2014年に設立された九電みらいエナジーが推進している。福岡県豊前市で木質バイオマス発電事業に他2社と着手した他、福岡県北九州市の洋上風力発電施設の設置・運営事業者の公募においても、九電みらいエナジーなど5社で構成されるコンソーシアムが優先交渉者に選定されたと2017年2月に発表した。

再生可能エネルギーの開発量目標 (クリックで拡大) 九州電力

 強固な事業基盤構築に向けては、ICTによる業務改革の推進や働き方改革などを挙げた。なお経営計画の詳細は、九電のWebサイトから閲覧することができる。

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