NTNが開発したマイクロ水車の大きな強みとするのが、設置のしやすさだ。一般的な水力発電では、水流に落差をつけるため、水路をせきとめて基礎工事を行う必要があり、一定の初期費用が必要になる。
一方、NTNのマイクロ水車は既存の水路に対して、工事を行わずに設置できる。まず、本体を支える2本を梁(はり)を、水路をまたぐように取り付ける。この梁は水路左右の基礎部分を挟むようにして固定する仕組みだ。その後、移動式クレーン車で発電機をつるし、2つの梁の間に置くようにして設置する。マイクロ水車1台当たりの重量は130〜150kgだ。
マイクロ水車は系統と接続し、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」で売電することも可能だが、NTNは独立電源用途としてのニーズを見込んでいるという。「例えば農業用水路を利用して発電を行い、一時的にバッテリーに蓄電して害獣防止柵や街灯などの設備に利用するといった用途を想定している」(NTN)。
国土交通省によれば、日本国内には約40万kmの用水路があり、再生可能エネルギー源としての大きなポテンシャルがある。NTNではマイクロ水車で2025年度までに売上高50億円を目指す方針だ。
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