パナソニック、滋賀工場での太陽電池生産を終了 セル単体でも販売へ:太陽光
パナソニックが、太陽電池事業の構造改革方針を発表した。2018年3月末で「滋賀工場」でのモジュール生産を終了し、海外での生産に移行。さらに従来のモジュール販売だけでなく、セル単体での販売も開始する。
パナソニックは2017年9月7日、太陽電池事業の構造改革方針を発表した。太陽電池モジュールのみの販売だけでなく、セル単体でのデバイス販売を2017年度内から始める計画だ。さらに、国内の太陽電池需要の落ち込みを受け、モジュール生産拠点である「滋賀工場」(大津市)での生産を、2018年3月末をめどに終息させる。
モジュール生産拠点の「滋賀工場」出典:パナソニック
パナソニックの太陽電池モジュール「HIT」シリーズは、内層の単結晶シリコンと表面層の薄膜シリコン(アモルファスシリコン)を組み合わせたヘテロ接合型太陽電池だ。量産品の太陽電池ではトップクラスの変換効率を誇り、温度上昇に強いなどの特徴がある。
「プリウスPHV」に搭載されている太陽電池モジュール(クリックで拡大)
これまではモジュールのみでの販売だったが、島根工場およびマレーシア工場を含めたグローバルでのセル生産体制を活用し、今後はセル単体での販売を強化していく。
今後の住宅・産業用のモジュールの生産は、マレーシア工場などの海外拠点で行うことになる。ただし、トヨタの「プリウスPHV」などに供給している車載向けのモジュールについては、「二色の浜工場」(大阪府貝塚市)での生産を継続する。
なお、滋賀工場の63人の従業員については、パナソニックグループ内での異動・再配置を基本に協議を進めるとしている。
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