同社ブースでは強度デモとして、通常の発泡スチロールとポリウレア塗布の発泡スチロールに対して、来場者がハンマー打撃を行う体験を実施。通常の発泡スチロールでは打撃により簡単に破砕したが、ポリウレア塗布の発泡スチロールは力を込めた打撃であっても破断は一切なく、塗料のひび割れも確認できなかった。また、難燃性発泡スチロールの採用により、火災隣接時にもある程度の耐久性を持つという。
同社が開発したSAMは、大人6人が余裕をもって座ることができるスペース(室内幅:1960mm、室内高:1580mm)を確保し、被災時以外でも書斎や離れといった普段使いで活用できるという。被災時に利用できる標準装備として、蓄電池(400Wh)、換気扇、LEDライト、内部コンセント(通常時も利用可)、外部接続プラグ(SAMへの電力供給用)を備え、保存食や毛布用の保管場所として、椅子下に2Lペットボトル100本以上の大容量収納を用意した。4トンユニック車に搭載して運搬可能で、家の庭や駐車場などに設置することを想定する。
小野田産業の地元である静岡県は、想定マグニチュード8クラスの東海地震による津波被害が指摘されている。こうした状況下で、同社代表取締役社長の小野田良作氏は「東日本大震災発生直後と比較して、個人の防災意識が下がりつつある」と語り、災害に対する自助意識の低下に警鐘を鳴らす。「静岡県に所在する企業の社長として、従業員を守りたいと思い開発を始めた。発泡スチロールを構造材に採用することにより、広い室内空間を持つシェルターだが個人の方でも購入できるように価格を抑えたつもりだ」(小野田氏)として、地場企業として提案できる津波被害の低減に意欲を見せた。
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