外気と雪で冷やすデータセンターが長岡に開所、地方創生に大きな期待も自然エネルギー(2/3 ページ)

» 2018年01月25日 07時00分 公開
[松本貴志スマートジャパン]

熱負荷の高い領域を狙い撃ちできる空調設備

 冷却効率の良い空調設備の開発にもこだわりを見せた。サーバルームの熱交換を行う空調ユニットには、2017年11月に販売開始された富士電機製の新型冷房専用機「F-COOL NEO 56kW(分離型)」を採用。空調ユニットから出た冷気は、一度サーバルームを挟む形で設置された「共通ダクトチャンバー」に集められる。これによって、ルーム内熱負荷の大小で冷気の送り込み場所や風量を制御できることが特長だ。共通ダクトチャンバー方式の空調は「日本でここだけ」(同社取締役データセンター長 齋藤壽勝氏)だという。

共通ダクトチャンバーのイメージ(クリックで拡大)

 データセンターの空調ではサーバルームの各ラック間を、冷気を送り込む“コールドアイル”、熱気を排出する“ホットアイル”として空調を行うことは一般的となっている。共通ダクトチャンバー方式もコールドアイル、ホットアイルに区別して空調を行っているが、従来の空調ユニットから直接コールドアイルに冷気を送り込む方式と比較すると冷気を送り込む量や領域選択に高い自由度があるため、HPC(High Performance Computing)など熱負荷が高い装置に対応しやすいメリットがある。

左:公開されたサーバルーム。ラック上部には熱気が拡散しないようホットエアゾーンが配されている。 右:共通ダクトチャンバーの冷風吹き出し口がサーバルーム側面に並ぶ。(クリックで拡大)

 さらに機器類からの排熱も活用し、データセンターの近隣施設に熱を供給するという。その第一弾として、近隣へ水耕栽培施設を2018年春に建設し、秋頃にかけて栽培した野菜果物類を出荷しする予定だ。現在、水耕栽培の業務を行うパートナー企業との調整を行っており、今後水耕栽培以外にも水産養殖への活用を想定しているとする。

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