パワーエレクトロニクス最前線 特集

最大1.8MWに対応する大容量パワコン、ABBが日本市場投入太陽光

ABBは最大1.8MWの出力に対応する大容量パワーコンディショナーの新製品を日本市場に投入する。数MW規模の太陽光発電所に最適なモデルという。

» 2018年05月11日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 ABBは日本国内の大規模太陽光発電所向け大容量パワーコンディショナー「PVS800シリーズ」に、最大1.8MW(メガワット)の出力に対応する新型モデル「PVS800-57B」を追加した。2018年5月から販売開始する。

「PVS800-57B」の外観 出典:ABB

 PVS800-57Bは、従来のPVS800シリーズと比較してエネルギー密度を約50%高めた。外形寸法は4030×2150×720mm(ミリメートル)、重量は約3トンで、単位出力当たりの体積および設置面積において、「市場で最もコンパクトなパワーコンディショナーの1つ」(同社)で、現地での設置スペース、輸送コストの削減に寄与するとしている。

 定格出力1711kW(キロワット)と1801kWの2モデルを展開し、動作温度範囲(45℃以上で出力制限)となっており、高温による厳しい設置環境においても優れた能力を発揮する。また、25℃で約15%の過負荷能力がある(定格出力1711kWの場合は最大1975kW、1801kWの場合は最大2078kW)。

 ミラー配置も可能なモジュール式のキャビネットは、屋外収納盤やコンテナの設計、接続箱や昇圧変圧器などのBOS(Balance of System)とのレイアウト調整への柔軟な対応が可能。特にさまざまなDCケーブルや接続箱のタイプにも柔軟に対応可能としている。

 標準で16個のPVヒューズ付き入力回路を備えているが、オプションにより24個まで拡張することができる。さらに、DC入力キャビネットには、各入力回路の電流監視システムも追加することが可能だ。

 なお、ABBの大容量パワーコンディショナーシリーズは、夜間にDC入力側を切り離し、無効電力を供給するなど、有効電力および無効電力を制御し、電力系統の安定化をサポートする機能なども標準装備している。

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