九州電力と三井物産は“卒FIT”を迎える住宅太陽光発電が登場することを見越し、蓄電池を用いて電力の自家消費を促し、住宅の電気料金を低減するサービスの実証実験を開始する。
九州電力と三井物産の両社は2018年11月、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」の買い取り期間が満了する住宅太陽光発電の登場を見据え、住宅太陽光ユーザーに対し、蓄電池を用いて電力の自家消費を促すことで、電気料金を低減するサービスの実証実験を開始すると発表した。
実証実験では複数の住宅太陽光ユーザーの自宅に蓄電池を導入。電力会社に売電していた余剰電力の一部を蓄電池に充電し、夜間などの自家消費分に回すといった制御を行うことによる電気料金低減効果などを確認する。
この他、VPP(バーチャルパワープラント)などの技術的知見獲得を目的に、三井物産などが出資している分散型エネルギーリソースの群制御ICTプラットフォームを提供している米Sunverge社製のシステム「Dynamic VPP Platform」を活用した蓄電池の群制御動作実験も併せて行う。
将来的には大規模な蓄電池群制御の実現により、需給調整市場での活用や電力系統安定化などの新たな事業やサービスの展開を目指す。実験期間は2019年春ごろから1年程度を計画している。
今後の電力供給システムは、従来の大規模電源からVPPなどの分散型電源へ変化していくことが想定される。両社は今回の実証実験を通じて、新たな事業やサービスの創出を行うための知見を獲得し、客へ新たな価値提供を行うためのイノベーションを積極的に推進するとしている。
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