日本初の民間資金100%の洋上風力発電、富山県沖で2020年稼働へ自然エネルギー

日本初となる民間資金100%の洋上風力発電プロジェクトが始動。富山県沖で2021年1月に運転開始する計画だ。

» 2018年12月26日 08時00分 公開
[スマートジャパン]

 日本初となる民間資金100%の洋上風力発電プロジェクトが始動した。三井E&Sエンジニアリングとウェンティ・ジャパン(秋田市)は2018年12月19日、富山県下新川郡入善町沖の海域に「入善町沖洋上風力発電所(仮称)」を建設すると発表。着床式の洋上風力発電所で、2021年1月の運転開始を予定している。

発電所の完成イメージ 出典:ウェンティ・ジャパン

 発電所は2MW(メガワット)級の風車を4基設置し、全体の定格出力は7.495MW。「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」を利用して、北陸電力に36円/kWhで売電する計画だ。

 電気設備は2019年8月から、海上基礎は2020年4月に着工する。総事業費は約50億円を見込んでおり、北都銀行を主体に地元金融機関によるプロジェクトファイナンスで調達する計画だ。民間資金100%で洋上風雨力発電の建設および運営を行うのは国内初という。

 漁業などへの影響を抑えるため、施工期間の短縮に向けた工夫も行う。富山湾に面した新日本海重工業の工場で風車を組み立て、三井E&S造船が建造した全長148.3メートルのフォーク付き台船は「天佑」で建設地まで輸送する。地上で組み立てた風車を一体で船に積み込むことで、工期の短縮を図る狙いだ。また、風車は新たな観光資源として期待できるほか、海中部分の漁礁効果による漁業との共生など、地域活性化にも貢献するとしている。

洋上における施工方法のイメージ 出典:ウェンティ・ジャパン

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