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» 2019年11月19日 07時00分 公開

自然エネルギー:イネの「もみ殻」で発電、ヤンマーが国内初の発電システムの実証を開始

ヤンマーが稲作農業で発生する「もみ殻」を利用できる発電システムを開発。廃棄処分されていたもみ殻を有効活用し、電力と熱を供給することができる。

[スマートジャパン]

 ヤンマーエネルギーシステムは2019年11月、稲作農業で発生するもみ殻を活用し、熱と電気を供給する「もみ殻ガス化発電システム」の実証を開始したと発表した。もみ殻に特化した小型ガス化発電システムは国内初という。

もみ殻ガス化発電システム 出典:ヤンマー

 稲作農業でもみより時に発生するもみ殻は、国内で年間約200万トン発生している。しかし、その処理方法として行われていた野焼きは禁止されており、一部はたい肥に利用されているものの、その多くは費用を掛けて処分しなくてはならないという。そこで、ヤンマーエネルギーシステムはこのもみ殻を燃料として有効利用できる発電システムの開発に取り組んできた。

 開発した発電システムは、まずもみ殻を燃焼してガス化し、このガスを燃料として発電する。さらに、燃焼時に発生する熱も利用できるようにした。通常、もみ殻は適切な処理を行わずに燃焼すると、結晶質シリカという有害物質が発生する。ヤンマーエネルギーシステムが開発した発電システムでは、特許技術により有害物質を発生させずに処理できるのが特徴だという。

もみ殻ガス化発電システムの利用イメージ 出典:ヤンマー

 発電システムは、滋賀県彦根市のフクハラファームに導入した。出力は15kW(キロワット)、年間7万5000kWh(キロワット時)の発電量を見込んでいるという。フクハラファームでは、毎年約200トンのもみ殻を処理しており、処理費用の削減の他、発電した電力の自家消費による省エネ効果も期待される。さらに、もみ殻の燃焼後に残るくん炭は農地に還元できるため、エネルギーの地産地消に加え、有害物質を発生しないトリジェネレーションシステムとして資源循環型農業にも貢献できるとしている。

もみ殻(左)の燃焼後に発生する「くん炭」 出典:ヤンマー

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