FITの入札システムで情報漏えい、経産省が今後の太陽光・バイオマス入札の方針発表太陽光(1/2 ページ)

太陽光・バイオマス発電のFIT制度に基づく買取価格を決める入札システムで情報漏えいが発生した問題について、経済産業省が原因と今後の方針を発表。太陽光発電の第5回入札およびバイオマス発電の第2回入札に関わる事業者は注意が必要だ。

» 2019年12月25日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」の買取価格を決める調達価格等算定委員会の会合が、2019年12月23日に開催され、太陽光・バイオマス発電の入札で情報漏えいが発生した問題について、対策が議論された。

 この情報漏えいは、太陽光発電の第4回と第5回、バイオマス発電の第2回について発生したもの。指定入札機関である低炭素投資促進機構が運営する入札システムにおいて、他の入札参加者の入札容量や価格といった入札情報が、他の入札参加者も閲覧できる状態になっていたという問題だ。2019年11月28日に入札参加者からの通報で発覚した。

 通報を受けた後、経済産業省は直ちにシステムを停止し、参加者への連絡とともに、漏えい内容の詳細とその原因についての調査を開始。入札システムのページに対するアクセス権限の設定について、システムの再委託先が実施した改修作業において発生した人為的ミスが原因だったとしている。今後は、チェック方法の標準化や体制の整備を通じて、ITガバナンスを強化する他、原因となったシステムに他のバグはないかといったセキュリティ面からの検証を、専門家の助言を得つつ進めていくとしている。

太陽光の第4回入札は「問題なし」

 確認されている漏えい件数396件に達した。なお、入札制度のキモともいえる、上限価格については漏えいがなかったとしている。既に終了している太陽光発電の第4回入札に関しては、上限価格が漏えいしていないこと、アクセス状況や個々の入札行動、札入れの締め切り直前に入札が集中したり、入札価格の偏りが生じたりしている傾向は見られないことなどを踏まえると、情報漏えいによって公正な入札が阻害されるような事態は生じていなかったと結論付けている。

各入札における情報漏えいの概要 出典:経済産業省
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