容量12kWhの家庭用蓄電池を新発売、ニチコンが200V家電の利用にも対応蓄電・発電機器

ニチコンが家庭向けの蓄電システムの新製品「ESS-H2L1」を発表。容量12kWh(キロワット時)のハイブリッド型で、200V仕様の家電製品の利用にも対応する。

» 2020年01月21日 07時30分 公開
[スマートジャパン]

 ニチコンは2020年1月14日、家庭向けの蓄電システムの新製品「ESS-H2L1」を発表した。容量12kWh(キロワット時)のハイブリッド型で、200V仕様の家電製品の利用にも対応。販売価格は420万円(税別)で、同年3月から販売を開始する。年間販売目標台数は1万台。

新製品の「ESS-H2L1」本体とコントローラー 出典:ニチコン

 新製品は定格出力5.9kW、太陽光充放電5.9kW、自立時出力5.9kVAで、停電時には自動で住宅に電力供給を行う機能を備える。蓄電容量12kWhとすることで、標準的な家庭であれば停電時でも約1日にわたって家電を利用できるという。

 こうした停電時には、オプション販売となる「全負荷分電盤」を併設することで、家中どの電源でも利用可能だ。また、エアコンやIH調理器などの、200V仕様の家電製品の利用にも対応することで、災害・防災時の利便性を高めた。

災害時の電力利用のイメージ 出典:ニチコン

 蓄電池本体の外形寸法は1060×1250×300mm、重量は254kgだ。屋外設置で15年無償保証、10年間の自然災害補償が付属する。設置可能温度は-30〜40℃、運転可能温度は-20〜40℃となっている。

 その他の機能として、ネットワーク接続による無料の見守りや遠隔制御サービスなども用意。太陽光発電量や蓄電充放電量などの運転状況は、室内リモコンから確認・制御が行える。今後は、ユーザーの居住地域で気象警報が発令された場合、自動で蓄電システムを満充電にして停電に備える遠隔制御サービスなども展開する予定だ。

生産拠点拡大へ

 なお、ニチコンは国内における家庭用蓄電システムの需要増を受け、生産体制の増強を行うことも発表した。現在の主要生産拠点であるニチコンワカサ(福井県小浜市)に続き、2020年2月からV2HシステムやEV・PHV用急速充電器の主要生産拠点であるニチコン亀岡(京都府亀岡市)でも家庭用蓄電システムの生産を行う。生産規模は月産数百台規模からスタートし、2020年後半には1000台程度まで拡大する方針だ。

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