鈍化傾向にある新電力の販売シェア、2030年度には27.6%に拡大か電力供給サービス

富士経済は2020年4月10日、国内の電力小売市場に関する調査結果を発表した。それによると今後全体の電力販売量は減少するものの、新電力の販売量は大幅に増加し、2030年における販売量シェアは27.6%にまで拡大すると予測している。

» 2020年04月21日 11時30分 公開
[スマートジャパン]

 富士経済は2020年4月10日、国内の電力小売市場に関する調査結果を発表した。それによると今後全体の電力販売量は減少するものの、新電力の販売量は大幅に増加し、2030年における販売量シェアは27.6%にまで拡大すると予測している。

 調査では2030年度の電力販売量は2018年度比7.2%減の7882億kWhと予想。人口減少などの他、各分野におけるエネルギー関連製品の効率向上や自家発電システム普及などにより、オール電化住宅や電気自動車の普及といった需要増を考慮しても減少が予測されるとしている。

 2030年度の販売量の内訳予測は、特別高圧が2272億kWh(2018年度比3.5%減)、高圧が2866億kWh(同7%減)、低圧が2745億kWh(同10.3%減)で、特に低圧分野の減少幅が大きくなっている。

国内における電力販売量の予測値 出典:富士経済

新電力シェアは25%を超える予測

 新電力の販売量は電力の小売全面自由化がスタートした2016年4月から数年は高い成長率が続いたが、2018年度は販売量が鈍化。2019年度もさら伸びは鈍化し、販売量は前年度比5.4%増の1292億kWhにとどまると予測している。

 今後は大規模電源開発や、旧一般電気事業者との相対契約、市場からの調達などによって新電力の販売量は増加するとし、2030年度には2018年度比77.5%蔵の2176k億kWh、シェアにして27.6%に拡大すると予測した。

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