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» 2021年03月23日 07時00分 公開

多様化する「PPA」が再エネ導入を加速、自家消費を支える「蓄電池」にも新しい動き太陽光(2/3 ページ)

[廣町公則,スマートジャパン]

パネル大手ジンコソーラーが、パワコン一体型の蓄電池を発表

 太陽光パネル大手のジンコソーラーは、家庭用蓄電池システム新製品「SUNTANK」を公開した。一つの筐体に蓄電池とハイブリッドパワコンを内蔵した一体型となっており、屋外設置においても高い耐候性を発揮する。蓄電容量は6kWh/9kWh/12kWhの3タイプが用意されており、15年製品保証がつく。

ジンコソーラーが発表したパワコン一体型蓄電システム

 ジンコソーラーが日本で家庭用蓄電池を発売するのは、今回が初。「高品質な蓄電池を手の届く価格帯で」をモットーに、高出力な太陽光パネルと合わせて、自家消費ニーズの高まりに応えていく考えだ。販売開始は2021年夏頃を予定している。

エクソル、PPAモデルで「太陽光+蓄電池」を初期費用0円に

 太陽光発電の総合企業エクソルは、FIT後を見えた多様なソリューションを提供する。今回、新たに発表されたのは、初期費用0円で「太陽光+蓄電池」が利用可能になるという、PPAモデル(第三者所有モデル)を活用した一般家庭向けサービス。エクソルと共同でサービスを展開する新電力に、電力会社を切り替えるだけで、太陽光発電システムと蓄電池を導入することができる。なお、太陽光発電システムと蓄電池の所有権は一定期間、電力会社に帰属するが、設置して10年後には無償で譲渡されるという。

太陽光発電の意義を語る、エクソル代表取締役社長の鈴木伸一氏

 PPAモデルとは、需要家(ここでは一般家庭ユーザー)の屋根上にPPA事業者(電力会社等)が太陽光発電システムを無償で設置し、発電した電気を需要家がPPA事業者から購入するビジネスモデル。ユーザーは、太陽光発電からの電気も電力会社からの電気も、使用量に応じて電気代として支払っていくことになる。

 エクソルでは、提携する電力会社を地域ごとに選定しており、現時点では福岡県のやめエネルギーなど3社がある。電力会社ごとにプランの詳細は異なるが、いずれの場合も、従来の電力会社の電気料金プランより割安になるという。

 FIT価格の下落により売電メリットが期待できなり、太陽光発電の導入に大きなお金は掛けづらくなってきている。また、できる限り自家消費をしたいと思っても、蓄電池まで導入するには予算が足りないという家庭は少なくない。こうしたなかエクソルは、初期費用が不要で、月々の負担が増えることもないPPAスキームにより、さらなる導入拡大を目指す。提携する電力会社も、順次増やしていく方針だ。

架台の大辰、PPA事業者と需要家のマッチングをサポート

 架台メーカーとして知られる大辰は、工場の屋根上など事業用を対象に、PPAのサポートサービスを展開する。需要家(ここでは企業)とPPA事業者のマッチングをサポートするというものだ。脱炭素化の流れのなか、再生可能エネルギーを使いたいと考える企業に向けて、初期費用0円で自家消費型太陽光発電システムを導入できるスキーム=PPAの普及を目指す。

PPAサポートを謳う、大辰の出展ブース

 電気代の削減はもちろん、RE100達成やSDGsへの貢献、CSR、企業価値向上、ESG投資へのアピールなど、企業にとって自家消費型太陽光発電の存在意義は高まるばかり。一方、以前よりだいぶ安くなったとはいえ、導入コストの高さは普及拡大の足枷(あしかせ)となっている。また、発電設備を自己所有する場合は、固定資産税もかかってくる。こうした足枷をなくすものとして、期待が高まっているPPAモデル。大辰は、需要家それぞれのニーズとPPA事業者の特性を分析し、ベストマッチングを図っていく。

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