脱炭素のカギとなる「水素・アンモニア」、需要と投資の拡大に向けた方策とは?エネルギー管理(3/4 ページ)

» 2022年04月27日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

国内における水素製造のポテンシャルはどの程度なのか?

 水素は、再エネ電力を用いた水電解によるグリーン水素や、化石燃料とCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)を組み合わせたブルー水素など、様々な方法・場所で製造可能である。

図4.電力コスト・稼働率・水素製造コストの一例 出所:水素政策小員会

 グリーン水素の製造コストを低減するためには、電解に用いる電力コストの抑制と水電解装置の稼働率アップが重要となる。

 現時点、国内ではまだ再エネ電力コストが高いため、グリーン水素を安価に製造することは困難であるが、将来的には再エネ発電コストの低減が期待される。

 また現在も九州など複数のエリアで再エネ電源の出力制御が実施されているが、このような時間帯には電力スポット価格は0.01円/kWhとなっており、本来であればネガティブ価格となっているはずと考えられる。

 このような余剰再エネ電力を最大限活用することが出来れば、国内グリーン水素の製造コストをより一層低減することが可能となる。

 電力広域的運用推進機関は系統のマスタープランを作成中であるが、2050年「再エネ5〜6割シナリオ」においては、再エネ出力制御率は約39%、抑制される電力量は約2000億kWhと試算されている。

 この余剰電力2000億kWhから電解できる水素の量は約470万トンに上るが、それでもエネ基の2050年目標2000万トンには大きく不足することが分かる。

 このため、一定量の水素を海外から輸入することが想定される。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.