一般送配電事業者は、規制期間の設備投資等を計画するために、その前提条件を計画する必要がある。前提計画には、供給エリア全体の需要や発電(供給力)のほか、再エネ連系量や調整力量の見通しと、それらの算定根拠が記載される。
このうち、そもそも託送料金はその需要(kW・kWh)に応じて費用回収されることから、需要の見通しは最も重要な前提計画となる。
一つの例として、四国電力送配電(四電T&D)では、規制期間の平均販売電力量を24,923GWh/年と見込んでいる。
これは現行制度の原価に織り込んだ需要27,815GWhと比べて、約10%の減少である。
需要・販売電力量が減少することは、託送料金単価の上昇を意味する。
なお第1規制期間においては、沖縄電力を除く一般送配電事業者9社すべてで、需要は減少する見込みととなっている。EVの普及など電力需要増加要因はあるものの、人口減少や節電・省エネの進展等の影響が大きいためである。
「需要」に対応する「供給力」については、全国合計では安定供給の目安である予備率8%を確保できる見通しとなっている。単一エリアで見た場合、年度によって8%を下回る中部・関西・九州エリアや、予備率がマイナスとなる北陸エリアなどが存在する。これらのエリアは地域間連系線を通じて、他エリアから供給力を確保する予定である。
再エネ電源の連系量(接続容量)はすべての一般送配電事業者で増加が続き、例えば関西電力送配電では、第一規制期間の最終年度2027年度には14,259MWが見込まれている。
なお九州エリアでは2023年度以降、再エネ接続容量が最大需要を上回る見通しである。
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